作家の宇野千代作家の宇野千代 Photo:SANKEI

長い人生のなかでは、好きな仕事ばかりできるわけではない。それでも宇野千代は、いつでも仕事を楽しむことができたという。嫌な仕事を前にしたとき、彼女がまず実践していた、意外な「自分の動かし方」とは。※本稿は、作家の宇野千代『宇野千代のことば 書いて、恋して、おしゃれして』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです。

やりたくない仕事ほど
「楽しそうに」始めてみる

 私もね、長い生涯の間には、いろいろな仕事をしてきましたが、いつも好きな仕事ばかりではありませんでした。しかし、いつでも、私はその仕事を楽しむことができました。

 それはね、実は簡単なことなのです。その時はね、とりあえず自分をだましてみるのです。つまり、それをいやな仕事だと思わないで、やりたくてたまらない仕事なんだ、と自分に思い込ませるのです。そして、さも楽しそうにいそいそ始めます。最初は、手や足を忙しそうに動かしてみることです。

 しばらくするうちに、その仕事を本当は嫌だったのだ、なんてことはすっかり忘れてしまい、自分にとても相応しい仕事だと思い込むようになっているでしょう。

 これが、楽しく仕事をする極意だと私は思うのです。

 人間は頭で考えているだけでは解決できないのです。行動することによって人生はひらけていくのですね。

意欲があれば仕事の方から
逃げていくことはない

 中には、飽きっぽくて、すぐに仕事をやめてしまう、次から次へと仕事を変わるという人がいます。