昼休みは、一人で静かに過ごすほうが疲れは取れるのか。それとも、同僚とランチを楽しむほうがリフレッシュできるのか。実は研究によると、大切なのは「誰と過ごすか」だけではないという。同じように人と交流していても、条件によって、その後の疲れ方には違いが見られたのだ。では、午後まで疲れを残さないために、昼休みをどう過ごせばいいのか。『体力がすべて』の著者・有好信博氏が、エビデンスをもとに解説する。
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その昼休みは、自分で選べているか
午前中の仕事が一段落し、デスクで昼食をとっていた。食後は少し外へ出るつもりだったが、問い合わせが入り、対応を終えると、今度は午後の会議の準備を頼まれる。気づけば昼休みは終わっていて、食事はできても、ひと息つけた気がしない。こんな経験はないだろうか。
昼休みはあっても、その使い方まで自分で決められるとは限らない。
「同僚とのランチでリフレッシュ!」それ本当?
同僚と食事をしながら話す時間は、よい息抜きになりそうだ。ところが、昼休みの交流と、その後の疲れとの関係は、そう単純ではない。
2014年に発表された研究では、北米の大学職員78人を10勤務日にわたって調べた。本人には、昼休みにどの程度人と交流したか、自分で過ごし方を決められたかなどを尋ね、終業時の疲れ具合は、一緒に働く同僚に評価してもらった。
人と交流することと疲れとの関係には、次のような違いがあった。
・ 過ごし方をあまり選べなかったと感じた日:人との交流が多いほど、終業時に疲れて見える傾向があった。
・ 過ごし方を自分で選べたと特に強く感じた日:交流が多いほど、終業時の疲れが目立たない傾向があった。
人との交流が多いことは、いつも疲れの多さと結びついていたわけではない。昼休みを自分でどう過ごせたと感じたかによって、逆の傾向も見られたのである(※1)。
周囲の都合で「昼休みの過ごし方」が決まっていないか
この結果を踏まえて、普段の昼食を振り返ってみよう。同僚と食べるとき、一緒に話したくて出かけているのか、それとも静かに過ごしたいのに、断りにくくて付き合っているのか。いつも一緒に食べていても、別の過ごし方を選びたい日に、そう伝えられるだろうか。
同僚との食事を楽しみにしているなら、その時間を大切にすればよい。一人で過ごしたい日があっても、相手との関係を考えると、簡単には言い出せないこともあるだろう。誘う側も、断られた理由を詳しく尋ねたり、重ねて参加を勧めたりせず、相手の返事を受け止めたい。親睦のための昼食会であっても、全員がその時間を同じように使いたいとは限らない。
昼休みには、食事以外にもしたいことがあるかもしれない。休憩中の頼まれごとに応じたときも、今のうちに済ませたかったのか、あとに回すとは言いにくかったのかを考えてみよう。急ぎではなく、対応する時刻を自分で決められる用件なら、「昼休みが終わってから確認します」と伝えてもよいだろう。
こうした選択ができるよう、職場でも休憩中の人に仕事が回ってこないようにしておきたい。電話や来客への対応を任されたままでは、休むように言われても席を離れられない。休憩に入る前に別の担当者へ対応を引き継ぎ、交代で休めるようにするなど、一人ひとりが仕事から離れられる時間を確保したい。
昼食に誘ったり、仕事を頼んだりしたとき、相手が応じてくれたからといって、本人もそうしたかったとは限らない。「今日は一人で食べたい」「その用件は昼休みのあとにしたい」と言われたとき、自分はどう受け止めるだろうか。自分の昼休みと同じように、相手が選ぶ過ごし方も尊重したい。
1. Trougakos JP, Hideg I, Cheng BH, Beal DJ. Lunch breaks unpacked: The role of autonomy as a moderator of recovery during lunch. Academy of Management Journal. 2014;57(2):405-21.






