「うちのチームは自由な社風だから」「細かいルールは作らず、個人の裁量に任せている」。物わかりの良い上司の職場ほど、なぜか人間関係がギスギスし、不満と対立が絶えない。その最大の原因は、上司が「ルールを決める責任」から逃げ、「自由」という名の丸投げをしていることにあります。人は何によって動くのか。この記事では、書籍『リーダーの仮面』をベースに、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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「自由にしていいよ」が不公平感を生み出すワケ
40代、50代の管理職になり、「息苦しい職場にしたくない」と考えて、部下に次のように声をかける上司がいます。
「今回のプロジェクト、進め方は自由にやっていいよ」
「出社時間も服装も、各自の判断に任せるよ」
一見すると、部下の意思を尊重する素晴らしいリーダーに見えます。
しかし、これこそがチームを崩壊へと導くワースト1の言動です。
明確なルールが存在しない職場は、自由で快適な場所にはなりません。
そこは、誰が何をやるべきかの線引きがなく、お互いに顔色を窺い合う「無法地帯」へと一瞬で化してしまうのです。
しかし、ルールを守る側の人にとって、適切なルールがあるほうが楽なはずです。
たとえば、夏休みの宿題を思い出してください。
「なんでもいいから興味のあることを自由に研究して発表しましょう」
この課題はとてもストレスを感じたはずです。
――『リーダーの仮面』より
部下の絶望とは?
夏休みの自由研究のように、「何でも自由にやっていい」と言われると、人間は非常に強いストレスを感じます。
「どこまでやれば評価されるのか」
「勝手に決めたら、あの先輩から文句を言われるのではないか」
見えない境界線を探り合い、無駄なエネルギーを消費します。
結果として、気の弱い真面目な社員ばかりが損をし、図々しい社員が好き勝手に振る舞う不公平な職場が出来上がります。
交通ルールのない道路を走らされる車と同じで、いつ衝突事故が起きるか分からない恐怖とイライラが蔓延するのです。
安心して信号を渡らせるのが「リーダーの役割」
リーダーの重要な役割は、部下に空気を読ませることではありません。
誰でも守れる明確な「姿勢のルール」を言語化して敷くことです。
「会議の3分前には着席する」
「遅れる場合は事前にチャットで連絡する」
こうした「できる・できない」が存在しない明快なルールを設定します。
部下はルールに従っている限り責められないという安心感を得て、初めて本業に集中できるようになります。
リーダーの仮面をかぶり、毅然とルールを決めて守らせること。
それこそが、職場から不満を消し去る最大の優しさなのです。




