減量薬の次なる課題、体重減少の「量」から「質」へPhoto: F. Martin Ramin/WSJ

 製薬会社が減量薬の臨床試験(治験)を行う中で、これまで問われてきたのは「どれだけ体重が減るのか」だった。それが今では「どのような種類の体重が減っているのか」へと変わりつつある。

 急激な減量はデメリットを伴うことがある。脂肪と共に筋肉も大幅に落ちると、けがをしたり転倒しやすくなったりする可能性がある。製薬各社は、この問題を解決するため、筋肉を保護しつつ体脂肪を狙い撃ちする新世代の薬の治験を進めている。

 今週ミラノで開かれた医療分野の会議では、デンマークの ノボノルディスク や米国の イーライリリー 、 リジェネロン・ファーマシューティカルズ といった企業の中期・後期段階の治験結果が発表され、複数の候補薬が筋肉をよりうまく温存しつつ、健康上問題となる腹部の脂肪を落とすのに役立つ可能性があることが示された。

 効果が実証されれば、これらの治験薬は最終的に、こうした治療法で急激に減量する人々の健康状態を改善させる可能性がある。また、一連の新薬について、医師の処方を促し、医療保険会社による費用負担を求める強力な論拠を製薬各社に与えることにもなる。

 イーライリリーが発表した新たな研究に関わり、他社とも協力してきた内分泌専門医のフアン・パブロ・フリアス氏は「体重減少が若干抑えられても、脂肪をより多く落として筋肉をより多く保つ方が望ましい」と述べた。「(患者に)難なくかがんで靴ひもを結べるようになってもらいたい」という。