「勉強したいのに、なぜか続かない」。そんな悩みを抱えていると、「もっと時間があればできるのに」と考えてしまいがちです。しかし、時間に余裕がある人ほど勉強が続き、忙しい人ほど続かないとは限りません。東大、コロンビア大学MBAを経て、数々のグローバル企業で要職を務めながら、51歳から司法試験の勉強を始め、57歳で合格した岩下充志氏は、勉強を続けるためには「空いた時間」を探すよりも大切なことがあるといいます。時間はあるのに続かない人と、忙しくても続けられる人。その決定的な違いとは何でしょうか。『夢をかなえる 勉強の地図』から特別に一部を公開します。(構成・ダイヤモンド社書籍編集局)

「時間はあるのに勉強が続かない人」と「忙しくても勉強を続けられる人」の決定的な違い・ベスト1Photo: Adobe Stock

「勉強を続ける」秘訣とは?

「仕事が落ち着いたら、資格の勉強を始めよう」
「休日に時間ができたら、まとめて勉強しよう」

そう思っているのに、気づけば何週間も経っていた。そんな経験はないだろうか。

一方で、毎日仕事や家事に追われているように見えるのに、資格を取ったり、新しい知識を身につけたりと、勉強を続けられる人もいる。

両者を分けているのは、単純な「暇な時間の多さ」ではない。

東大卒業後、コロンビア大学でMBAを取得。その後、日本マクドナルドCMO、Facebook Japan初代社長、日本マイクロソフト執行役員、日本IBM CMOなどを歴任し、51歳から司法試験に挑戦、57歳で合格した岩下充志氏。

その岩下氏が、長年の学習経験から身につけた勉強法をまとめた『夢をかなえる 勉強の地図』から、勉強を長く続けるための考え方を見ていこう。

「時間ができたら勉強しよう」では続かない

勉強を始めようとするとき、多くの人が最初に考えるのが「どうやって時間をつくるか」ではないだろうか。

仕事があるから、平日は難しい。
家事や育児があるから、まとまった時間が取れない。

そこで、「通勤中の10分を使おう」「昼休みに英単語を覚えよう」といった「スキマ時間」の活用を考える。

もちろん、忙しい毎日のなかで少しでも時間を見つけ、自己投資に使おうとする姿勢そのものは悪くない。

しかし、岩下氏は意外にも、小間切れの「スキマ時間」に頼った勉強を推奨していない。
本書では、仕事や家事と並行して勉強するのが現実的だとしながらも、日常にある細切れの時間だけで勉強を終わらせることには疑問を呈している。

なぜなら、本当に身になる勉強には、ある程度まとまった時間が必要だからだ。

ここに、勉強が続かない人が見落としやすいポイントがある。

忙しくても続く人は「空いた時間」を待たない

「今日は早く仕事が終わったから勉強しよう」
「休日に予定がなかったら勉強しよう」
このやり方では、勉強するかどうかを、その日の状況に委ねることになる。

時間が空かなければやらない。疲れていればやらない。
ほかにやりたいことが出てくれば、そちらを優先する。

つまり、「勉強するかどうか」を毎回判断しなければならない。

そこで重要になるのが、勉強を生活の「ルーティン」にしてしまうことだ。

岩下氏は、生活をルーティン化して迷う余地をなくすことで、勉強を始めるハードルを下げられると述べている。
「やる/やらない」という選択を飛ばし、時間になれば自然と身体が動く状態をつくる。それが、挫折せずに勉強を継続するうえで大きな効果を発揮するという。

つまり、時間ができたら、勉強する。のではなく、勉強する時間を先に決めて、それ以外の予定を組み立てる。
この順番に変えるのだ。

「時間の量」より「仕組み」を変える

時間はあるのに勉強が続かないと、「自分は意志が弱いのではないか」と考えてしまう。
しかし、毎回「今日は勉強するか、しないか」を自分に問いかけている時点で、続けるためのハードルを自ら高くしている。

反対に、忙しくても続けられる人は、毎日のように強い意志を発揮しているわけではない。
そもそも、意志の力を使わなくても勉強を始められる状態をつくっている。

朝起きたら顔を洗う。会社に行くために決まった電車に乗る。
それと同じくらい、「この時間になったら勉強する」という行動を生活に組み込んでしまえばいい。

勉強を続けられるかどうかを決めるのは、自由時間の多さではない。

「時間ができたらやる」のか、「やる時間を先に決める」のか。
この違いが、数か月、数年と積み重なったとき、大きな差になって表れるのだ。