「もっと早く始めておけばよかった」――年を重ねてから、そんな後悔はできるだけしたくないものです。しかし、仕事や家事に追われていると、「いつかやりたいこと」ほど後回しになってしまいます。51歳で司法試験への挑戦を始め、57歳で合格した『夢をかなえる 勉強の地図』の著者・岩下充志氏は、人生を変えるきっかけは、必ずしも周到な計画から生まれるわけではないといいます。老後に「もっと早くやっておけばよかった」と悔やまないために、今から意識したいこととは。(構成・ダイヤモンド社書籍編集局)

「老後にダントツで後悔すること」・ベスト1Photo: Adobe Stock

「つい」後回しが続いていないか?

「いつか時間ができたら、やってみたい」
「仕事が落ち着いたら、新しいことを始めよう」
そんなふうに、やりたいことを「後で」に回してはいないだろうか。
毎日忙しく過ごしていると、今すぐやらなくても困らないことは、つい後回しになってしまう。

しかし、「後でやろう」を繰り返しているうちに、1年、5年、10年と時間は過ぎていく。
そして、年を重ねてから「あのとき始めておけばよかった」と思っても、過ぎた時間を取り戻すことはできない。
では、老後になって後悔しないために、今から意識しておきたいことは何だろうか。

「後でやろう」を積み重ねない

『夢をかなえる 勉強の地図』の著者・岩下充志氏は、人間はその都度の気分で生きていると、つい楽なほうを選んでしまうものだと指摘している。
たとえば、こんな言葉に心当たりはないだろうか。

「まとまった時間がないから週末に頑張ろう」
「気分が乗らないから明日にしよう」
「今日は疲れたからやめておこう」

一つひとつを見れば、もっともらしい理由に思える。
今日できなくても、明日やればいい。今週できなくても、来週やればいい。
しかし、「今日」を「明日」に送り続けることが習慣になれば、やがて何年もの時間になってしまう。
完璧なタイミングを待つのではなく、「やってみたい」と思ったときに動いてみることが大切なのだ。

人生を変えるきっかけは、意外と小さい

岩下氏が51歳で司法試験への挑戦を始めたのも、周到に準備して決断したからではなかった。
きっかけは、友人との何気ない会話だった。

 同年代の飲み仲間で、司法書士をしている友人がこんな決意を聞かせてくれました。「最近仕事がつまらないから、司法試験の勉強を始めようと思う」と。
 その言葉を受けて、私はなぜか「おもしろそうだね、俺も一緒にやるよ」と口に出していたのです。
 きっと、私の心はパッションを持ってやりたいと思えること、お金ではなく心から生きがいを感じられる何かを探していたのだと思います。だから、友人のチャレンジに乗っかって、新しい世界に飛び込んでみたくなった。

――『夢をかなえる 勉強の地図』から引用

「もう51歳だから」「もう少し考えてから」と先送りするのではなく、「おもしろそう」と感じた瞬間に、新しい世界へ飛び込んだ。
その一歩が、その後の大きな挑戦につながっていった。

何かを始めるとき、その先に何が待っているのか、最初からわかる人はいない。
それでも、著者はこう書いている。

 真剣に勉強して、最後までやりきって。やり遂げれば必ず未来が変わります。
 勉強に注ぎ込んだ時間と労力が無駄に終わることはないのです。

――『夢をかなえる 勉強の地図』から引用

そして、「たとえどれだけ長く苦しい道であろうと、勉強には歩み通すだけの価値があると続けている。
人生には、「後でやろう」と思っているうちに、過ぎてしまう時間がある。
だから、大きな決断をする必要はない。

本を一冊買ってみる。気になっていたことを調べてみる。詳しい人に話を聞いてみる。
「いつか」を待つのではなく、今日できる小さな一歩に変えてみる。

老後に振り返ったとき、「もっと早くやっておけばよかった」と後悔しないために。
人生を変えるのは、いつか訪れる絶好のタイミングではなく、「今やってみよう」と動いた、その瞬間なのかもしれない。