仕事では、自分とは考え方や価値観が違う相手とも関わらなければならないことがある。「この人とは合わない」と感じると、できるだけ距離を置きたくなる一方で、仕事上の関係だからと我慢を重ねてしまう人もいるだろう。では、どこまで対話を続け、どんな場合には距離を置いていいのか。『仕事・人間関係で損する人、得する人』の著者・伊庭正康氏に、合わない相手との向き合い方と、関係を見直す基準を聞いた。(構成/照宮遼子、ダイヤモンド社書籍編集局)
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すべて分かり合おうとせず、一致する部分を探す
――考え方が合わない相手とも関係を築いていくには、何が必要でしょうか。
伊庭正康(以下、伊庭):私は、悪気のある人はそれほど多くないという前提で考えています。考え方が違っても、話をしてみれば分かり合える部分はあるはずです。
――とはいえ、どうしても意見が一致しないこともありますよね。
伊庭:もちろん、すべての考えを一致させる必要はありません。何でも自分に合わせてもらおうとすれば、それはこちらの都合を押しつけることにもなります。全部同じでなくても、部分的に一致するところを探せばいいんです。
発言だけで判断せず、その奥にある理由を聞く
――相手の考えが自分と大きく違うと感じたときは、どうしていますか。
伊庭:たとえば私は、仕事では相手の役に立つことがあれば、プラスアルファで行動したほうがいいと考えていますが、「決められた範囲だけをしっかりやりたい」という人ももちろんいますね。
そんなちょっとした違いがあるときに、表面的な発言だけで相手を決めつけずに、「なぜそう考えているのか」を聞くようにしています。そうすると意外なことがわかるんです。
――意外なことですか。
伊庭:はい。たとえば、「自分の業務範囲だけをしっかりやりたい」タイプの人は、相手のための行動を面倒と思っているわけではなくて、頼まれていないことまでやると迷惑になるのではないか、本来の仕事に支障が出て評価にも響くのではないか、と心配していることがあります。
決めつけずに、まず相手の話を聞く。それがコミュニケーションの第一歩だと思います。



