頼まれた仕事をきちんとこなしていても、それだけで次の仕事につながるとは限らない。一方で、周囲から自然と「またこの人にお願いしたい」と声をかけられ、大きな仕事につながっていく人もいる。仕事の出来だけではないとすれば、どこに違いがあるのか。『仕事・人間関係で損する人、得する人』の著者・伊庭正康氏に、周囲から信頼される人が仕事で意識していることを聞いた。(構成/照宮遼子、ダイヤモンド社書籍編集局)
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ベスト1:頼まれた仕事に「ひと手間」を加える
――伊庭さんが仕事をするうえで、普段から意識していることはありますか。
伊庭正康(以下、伊庭):私は、依頼されたことをやって終わりにせず、「もう1つ、相手の役に立てることはないか」と考えています。本書でも紹介している「自分だけの“プラス1”」ですね。できる範囲でひと手間を加えるようにしています。
――「プラス1」は具体的にはどういう行動でしょうか。
伊庭:「頼まれた仕事がその先でどう使われるのか」まで考える、「こうしておいたほうがいいかな」「あとで必要になることはないかな」と、次の場面を想像します。そこで先回りして準備できることがあれば、やっておくようにしています。
――実際の仕事では、どのように取り入れていますか?
伊庭:営業のときは、お客様が困っていることを考えて、頼まれていなくても役立ちそうな資料を持っていくことがありました。会議なら、上司が知りたがっている現場や顧客の声を事前に集めておく。自分がうまくいった方法を周囲に共有することですね。
相手の反応を見ながら、加減を覚える
――よかれと思ってやったことが、相手にとっては不要なこともあります。どのように調整するといいのでしょうか。
伊庭:そうですね。こちらは喜んでもらえると思っていても、相手にとっては必要なかった、ということもあります。最初から何が正解か分かるわけではないので、ある程度はやってみないと加減もつかめません。
――たしかに失敗も大事ですね。そうした経験を、どう生かしていけばいいのでしょうか。
伊庭:相手の反応を見たり、フィードバックを受けたりしながら、「ここはやりすぎたな」「これは喜んでもらえたな」と修正していきます。そうすれば、どこまでやると喜ばれるのかも少しずつ分かってきます。失敗を恐れず、まず自分なりにやってみることも大切ですね。
小さなひと手間が、大きな信用につながる
――「相手にとってプラスになること」を意識すると、つい手間をかけすぎてしまいそうです。
伊庭:大きな時間をかける必要はありません。今はAIも使えるので、少し資料を整えたり、必要になりそうなものを用意したりする負担も以前より減っています。だからこそ、以前よりも自分なりの工夫がしやすい環境だと思います。
――「小さなひと手間」を加えることで、仕事にはどんな変化が出てきますか。
伊庭:一つひとつは小さなことでも、「ここまでやってくれたのか」と感じてもらえれば、それが信用につながっていきます。そこから新しい仕事やチャンスが生まれることもあります。
『仕事・人間関係で損する人、得する人』で書いているのも、こうした小さな行動の違いです。その積み重ねが、「またこの人にお願いしたい」と選ばれる理由になっていくのです。








