心配ばかりが膨らんで何も手につかなくなることがある。一方で、「それなら今のうちに準備しておこう」と動ける人もいる。その差は、不安を感じるかどうかではなく、その後の扱い方にあるという。『仕事・人間関係で損する人、得する人』の著者・伊庭正康氏に、心配を行動や備えにつなげる考え方を聞いた。(構成/照宮遼子、ダイヤモンド社書籍編集局)

「不安で動けなくなる人」と「不安を原動力にする人」の決定的な違いとは?Photo: Adobe Stock

「確実な答え」を求めすぎると、不安は大きくなる

――不安を感じると、「完璧な準備をしなければ」と準備に時間をかけすぎたり、怖気づいたりして行動力が落ちてしまうことがあります。不安を感じやすい人は、どうすればもっと行動力がアップしますか?

伊庭正康(以下、伊庭):心配すること自体は決して悪いものではありません。大切なのは、その不安にどう向き合うかです。私が好きなのが、心理学者ロバート・L・リーヒが著書『不安な心の癒し方』で紹介している「良い不安」と「悪い不安」という考え方です。

――「悪い不安」とは、どのような状態を指すのでしょうか。

伊庭:「確実な安心」を求め続けてしまう状態です。心配になると、「もう少し調べれば安心できる」「全部はっきりさせたい」と考えてしまう。しかし、世の中に100%確実なことはありません。不安が新たな不安を呼び、出口のない、ぐるぐる思考に陥ります。

心配を、「今できる行動」に置き換える

――一方で、「良い不安」とはどういう状態でしょうか?

伊庭:不安を、早めの行動や準備に変えることです。心配だからこそ先回りして備える。私の場合、それが仕事や人生を動かすエネルギーになっているんです。

――心配を「今できること」に変えていくんですね。

伊庭:そうです。たとえば、遅刻が心配なら、私は予定していた電車より2、3本早いものに乗るようにします。早く着いたら、その時間を仕事に使えばいいんです。

「将来の不安」を解消するには?

――将来について、漠然と不安を抱えたときはどうすればいいでしょうか。

伊庭:私自身も「40歳でこうなっていたら嫌だな」「50歳でこの状態だったら困るな」と、少し先の自分を想像することはよくありました。

ただ、将来のことを心配するだけで終わらせず、逆算して「今の自分に何が必要か」を考えるんです。将来のことをイメージして、早めに勉強したり準備したりしてきました。