完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろPhoto: Adobe Stock

「下手なものは出せない」というプレッシャー

 仕事の流れはわかっている。タスクも明確。

 それでも手が動かないことがあります。その典型が「白紙の画面」です。

 何も書かれていないファイルは、可能性が無限にあるように見えて、足がすくむのです。

 経験を積んだ人ほど、この現象が顕著になることがあります。これまで数多くの資料を見て、作ってきたからこそ、目が肥えている。

 だから「下手なものは出せない」と感じてしまう。

 ただ、「最初から正しいものを書かなければ」というのは呪いです。完璧主義が顔を出すと、人は白紙の画面の前で止まります。

「ダメなものを直す」ほうが、圧倒的に楽

 AIは、この呪いを解いてくれます。AIが出すものは、最初から「間違っている」とわかっているからです。

 といっても、丸投げするわけではありません。AIは、白紙で止まる最初の数分を越えるための補助輪として使います。

 やり方は簡単です。「この企画書の構成案を出して」とAIに頼む。30秒で何かが出てきます。それを見て、「いや、これは違う」「ここはいいけど、ここは変だ」と思う。

 その瞬間、あなたはもう始めています。

「ゼロから作る」より「ダメなものを直す」ほうが、心理的な負担は圧倒的に軽い。

 AIに「ひどい最初の一稿」を書かせて、「これじゃない」と思ったとき、自分が本当に書きたいことが明確になります。

AIの役割は、答えではなく「ツッコミの的」

 私は構成案を考えるとき、いきなりスライドを作らず、AIに「施策案の骨子」を5案出させることがあります。

 出てきた案は陳腐でしたが、「数字の比較が薄い」という欠点が見えました。その瞬間、自分が集めるべき指標が明確になったのです。

 AIの役割は、答えを出すことではありません。「ツッコミの的」を提供することです。

 AIの粗い提案にツッコミを入れること自体が、手を動かす導火線になるのです。

 ただし、「どこまで任せて、どこから自分で引き取るか」は重要なポイントです。AIには「あなたの文脈」が欠けているからです。

 AIの出力は叩き台であって、完成品ではありません。使えるかどうかは、必ず人間が判断しなければいけません。

 そして、その「文脈」を持っているのは、あなたの側です。長年の経験で積み上げた判断力は、AIの叩き台に「これじゃない」と言う場面でこそ、いちばん生きるはずです。

 次に白紙の画面で手が止まったら、AIに「ひどい最初の一稿」を頼んでみてください。

 30秒後に「これじゃない」と思えたら、もう始まっています。