開業率7年連続で政令市1位。人口は20万人以上増加。税収は1.6倍に増大。2010年の高島市長就任以降、大躍進した福岡市だが、この成長のきっかけには、就任直後に断行した行財政改革があったという。その原動力となったのが、当時36歳という高島市長の若さによる突破力だった。4期16年にわたる挑戦を振り返った『福岡市の問題解決』(高島宗一郎・著)から一部抜粋・編集してお届けする。〈ダイヤモンド社書籍編集局〉

改革者Photo: Adobe Stock

「知りすぎていない」は武器になる

 新しくリーダーになった人が大胆な改革を行うなら、なるべく早いうちに取り掛かったほうがいいと思っています。行財政改革をはじめとする私の就任当初のさまざまな取り組みは、若さゆえのある種の大胆さがあったからこそ、大鉈(おおなた)を振るうことができたのだと思います。

 私が常々、自治体の意思決定層に若い人がもっと入ってきてほしいと言っているのは、そういった理由もあります。若い人は先が見えていない。だから、無謀とは違いますが、恐れを知らず理想に突っ込んでいける。それはパワーであり、時間が経ち、歳をとるにつれてだんだん弱まっていきます。

 特に変化もなく、ものごとを静かに淡々と進めるだけなら、いろいろなことを熟知したベテランのほうが適しているのでしょう。ただ、この激動の時代に「数年間何もなく過ごすこと」は、自治体にとって、あるいは企業活動にとって、果たして本当に良いことなのでしょうか。
 よく「トップの仕事は決断することだ」と言われます。任期中、何も決断しないまま現状維持を続ければ、何の批判もされない。でも、それでは街は良くならない。

 そして大胆な決断は、新しく誕生したリーダーの役割とも言えます。リーダーが交代すると改革に踏み込みやすくなる。まだいろんなプレイヤーの顔が見えていないときだからこそ、既存のしがらみにとらわれず、大胆な一手を打つことができるのです。
「知らない」ことは弱さではなく、リーダーにとって最強の武器にもなりうるのです。