知れば知るほど動けなくなる
私が16年にわたり市長を務めた今、特に思うのが、この「知りすぎていない」ことの価値です。
「知らない」という言葉は一般的にマイナスのイメージがあります。しかし私自身、補助金を見直すときや随意契約を競争性に変えるとき、もし「補助金制度ができたときの経緯や背景」「関連する議員とのつながり」などがクリアに見えてしまっていたら、改革はできなかったかもしれない。
新しいポジションに就いたばかりの人は、往々にして「早くいろんなことに詳しくならなければ」と焦ります。しかし、知れば知るほど動けなくなることもある。「知らないうちにしかできないこと」を見極め、そこに全力を注ぐ。これが、新任リーダーの最初の仕事なのかもしれません。
そして、大きな改革プロジェクトはもちろん、日々の業務の中でも「これはおかしい」と気づいたものを一つずつ正していく。その積み重ねが、組織の体質を変えていきます。







