「それって、解雇ってことですか?」。部下から突然そう言われたら、上司は戸惑ってしまうかもしれません。上司として何らかの意図があって伝えた言葉でも、相手によっては「会社を辞めてほしいということなのか」と受け取られることがあります。特に、部下の今後の働き方に関わる話は、ちょっとした言葉の選び方が大きなすれ違いにつながりかねません。では、部下から「それって解雇ですか?」と言われたとき、上司は何を伝えるべきなのでしょうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その対応を解説します。
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その言葉の前に、何があったのか
「それって、解雇ってことですか?」
部下からこう言われる前には、上司から何らかの言葉がかけられていることがあります。
たとえば、
「別の仕事を考えたほうがいいんじゃない?」
こうした言葉は、状況によっては退職を勧める「退職勧奨」と受け取られることもあります。
ただ、ここで考えたいのは、その言葉だけではありません。
上司がなぜそう考えたのか。その背景です。
合わない仕事を続けるしんどさ
人には向き不向きがあります。
細かい数字の確認は得意でも、お客さんとのやり取りは苦手な人がいます。
反対に、コミュニケーションは得意でも、書類作業ではミスが続く人もいます。
合わない仕事を続けていると、ミスが増えて注意される場面も増えていきます。
本人も「なぜ自分はできないんだろう」と苦しくなっていきます。
そうした姿を見て、上司が「もっと力を発揮できる仕事や役割があるのでは」と考えることもあります。
本人を気遣う気持ちから出た言葉である場合も、少なくありません。
結論だけでは、意図は伝わらない
問題は、そう考えた理由を伝えないまま、結論だけを口にしてしまうことです。
「別の仕事を」という言葉だけでは、部下には上司の頭の中にある気遣いまでは見えません。
「自分はこの会社に必要ないのかな」
「辞めてほしいということなのかな」
そんなふうに受け取ってしまうことがあります。
そこから「それって解雇ですか?」と考えが進んでしまうのも、無理はありません。
上司が伝えたいこと
伝えたいのは、結論より先に「なぜそう考えたのか」です。
同じ「別の仕事も考えてみたら」でも、理由が添えられていれば、部下が受け取る意味はまるで変わります。
デリケートな話ほど、結論を急がず、自分がそう考えた理由から話し始める。
それが、部下に意図を正しく届けるために、上司が大切にしたい姿勢です。








