部下に仕事を任せるとき、「これ、お願い」と伝えるだけで終わっていないでしょうか。実は、そこにほんの一言を加えるだけで、部下の仕事への向き合い方は大きく変わります。ポイントは、「なぜあなたに任せるのか」を伝えること。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、たった10秒でできる、部下のやる気を引き出す3つのポイントを解説します。

【10秒で差がつく】「部下のやる気が倍増する」上司の話し方・ベスト3Photo: Adobe Stock

「なぜ任せられたか」がわからないと動きにくい

「この案件、黒滝さんにお願いします」
こんなふうに仕事を任されると、部下は嬉しいものです。
任されるということは、信頼されている証拠だからです。

でも、ここに盲点があります。多くの場合、任せた理由を伝えていないんです。

部下の立場から考えてみてください。
仕事を任されたとき、「なぜ自分が選ばれたのか」「上司は自分のどこを評価しているのか」「具体的に何を期待されているのか」――こうした疑問を抱えたまま仕事を進めるのと、理由がはっきりわかった状態で取り組むのとでは、モチベーションに大きな差が生まれます。

「なぜあなたなのか」を10秒で添える

理由を伝えるときのコツは、「①過去の実績を根拠にする」「②具体的な能力・特性を挙げる」「③周囲からの評価を伝える」の3点を意識することです。

「この仕事、黒滝さんにお願いします。前回の資料がとてもわかりやすくて、お客さんからも褒められたんです。今回もそのわかりやすさを活かしてもらえればと思います」

「渡辺さんは営業成績が安定しているし、お客さんへの説明もいつも丁寧だよね。周囲からの評判もいいし、新人にもそのやり方を身につけてもらいたいから、今回は指導をお願いしたい」

相手のいいところを伝えるわけですから、気持ち的にも伝えやすい言葉です。

上司自身にも、気づきがある

理由を言葉にする習慣は、上司にとってもメリットがあります。
「なぜその人を選んだのか」を考えることで、自分自身の判断の根拠が整理されます。

なんとなく仕事を振ることが減り、適材適所の精度も上がっていきます。

「この仕事をやってほしい」だけでなく、「なぜあなたにやってほしいのか」まで伝える。
理由を伝えるのは、たった10秒。
その10秒で、部下は自分の何が認められているのかを知り、次の仕事への意欲も高まります。

部下の力を引き出すのも、大切な“リーダーのふるまい”です。