退職する部下から「今までお世話になりました」と最後の挨拶をされたとき、何と返すでしょうか。「お疲れさま」「次の職場でも頑張って」と声をかける人が多いかもしれません。しかし、上司として最後に伝える言葉は、その部下の心に長く残ることがあります。では、退職する部下に、最後にどんな言葉をかければいいのでしょうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その一言を解説します。
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「お疲れさま」で終わらせるのは、少しもったいない
退職日の夕方、部下が「今までお世話になりました」と挨拶に来る。
上司は「お疲れさま。次のところでも頑張って」と返して、それで終わる――よくある光景です。
もちろん、それだけでも十分です。
ただ、退職する人は明日からもう部下ではなくなります。
仕事の指示をすることも、相談に乗ることもなくなる。
上司として何かを伝えられるのは、実質この挨拶が最後です。
だからこそ、その人に一つでも残る言葉をかけてほしいのです。
自分の経験から出た言葉は、相手に残る
退職後の過ごし方は人それぞれです。
すぐに次の仕事が決まっている人もいれば、少し休んだり、失業給付を受けながら次の仕事を探したりする人もいます。
たとえば、上司自身に転職の合間をうまく使えなかった経験があるなら、こんなふうに話せます。
「もし次の仕事まで少し時間があるなら、その時間を大事にしたほうがいいよ。私は以前、そういう期間をなんとなく過ごしてしまったことがある。働き始めると、まとまった時間って意外と取れないからね。本を読むでも、資格を取るでも、何か一つやっておくといいと思うよ」
一般的なアドバイスとして聞くより、目の前の上司が自分の失敗談として話してくれた言葉のほうが、記憶に残りやすいものです。
「この言葉が正解」というものはない
大切なのは、決まった言葉を言うことではありません。
上司自身の経験や考え、その部下と関わってきた中で感じたこと
――その人だからこそ話せる言葉を、最後に一つ渡すことです。
転職や失業期間の経験がなくても構いません。
「自分ならその時間をこう使う」「これからも大切にしてほしいと思うこと」など、自分の考えとして伝えれば十分です。
そして、その様子はほかの部下も見ています。
辞めていく人に最後まできちんと向き合う姿を見て、「この上司は人を大切にする人なんだ」と感じます。
最後の挨拶の数分間をどう使うか。
それも、部下を大切にする上司のあり方です。








