「もっとお金を稼ぎたい」「人生で何か大きなことを成し遂げたい」。そんな目標を持って、日々頑張っている人は少なくないでしょう。しかし、人生を振り返ったとき、幸せな思い出として心に残るのは、大きな成功や特別な出来事だけとは限りません。では、人生の最後に「幸せだった」と思える人は、何を大切にしているのでしょうか。『人生は気づかぬうちにすぎるから。』の著者クリス・ギレボー氏が、人生を豊かにするための考え方を語っています。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

人生を振り返って「幸せだった」と思える人の共通点・ベスト1Photo: Adobe Stock

小さな喜びを見過ごしていないか?

「もっとお金があれば、幸せになれるはずだ」
「仕事で成功すれば、充実した人生になるはずだ」

そんなふうに考えている人は少なくない。

人生を豊かにするために、仕事で成果を出す。
お金を貯めて、いつか豪華な旅行に出かける。
結婚や昇進など、人生の大きなイベントを楽しみにする。

もちろん、目標に向かって努力したり、特別な経験をしたりすることは大切だ。
しかし、人生を振り返ったとき、心に残るのは必ずしも大きな成功や特別な出来事だけではない。

家族と何気ない会話をした夕食の時間。友人とくだらない話で笑い合った休日。天気のいい日に、いつもより少し遠くまで散歩したこと。

そのときは特別だと思わなかった出来事が、何年もたってから、かけがえのない思い出になっていることもある。

一方で、「いつか大きな幸せを手に入れよう」と考えていると、目の前にある小さな喜びを見過ごしてしまいやすい。

人生を振り返って「幸せだった」と思える人の共通点。
それは、特別な日を待つのではなく、何気ない日常のなかにも幸せを見つけていることだ。

平凡な日に「特別な瞬間」を見出す

では、平凡な毎日を、後から振り返って「いい時間だった」と思えるものにするには、どうすればいいのだろうか。

人生の一大イベントであれ、大型連休であれ、映画では、物語を展開させ、観客の感情を動かすために、こうした日を特別なシーンとして描くことが多い。
登場人物に感情移入している観客は、これらの人生の大きなイベントが、登場人物の人生のハイライトを表していると自然に受け止める。これは、観客を導くために必要なシーンなのだ。
だが現実の世界では、かけがえのない出来事は、平凡な日常や、予期せぬ瞬間にあるように思える。ならば、平凡な日々のなかにこそ特別な瞬間を見出そうとするほうがはるかによいのではないだろうか。
そうした瞬間は、後から振り返って初めて特別に思えることが多い。後から特別だと振り返れるような経験を日頃から積み重ねていけば、人生は有意義なものになっていくだろう。

――『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』より

私たちはつい、人生を豊かにするためには、何か大きなことを成し遂げなければならないと考えてしまう。
しかし、後から振り返って心に残るのは、必ずしも特別な日ばかりではない。

何気なく出かけた場所で見た景色。思いがけず友人と話が弾んだ時間。家族と笑い合った、いつもと変わらない夜。

そんな瞬間が、何年もたってから大切な思い出になることもある。
だからこそ、特別な予定がない日も、ただ何となく過ごすのではなく、自分が楽しいと思えることを少しずつ増やしてみよう。

行ってみたかったお店に立ち寄る。気になっていた本を読む。会いたい人に連絡してみる。

人生の幸せは、大きな出来事だけで決まるものではない。
何気ない毎日のなかに、後から振り返って「幸せだった」と思える瞬間を、どれだけ積み重ねられるかが大切なのだ。