「誰からも嫌われたくない」「できるだけ周囲の期待に応えたい」。そう考えて、人付き合いを大切にしている人は少なくないでしょう。しかし、誰に対しても誠実に接しているのに、年齢を重ねるほど、大切な人との関係が薄くなってしまうことがあります。では、「いい人なのに、年をとるほど人が離れていく人」は、何を間違えているのでしょうか。『人生は気づかぬうちにすぎるから。』の著者クリス・ギレボー氏が、人間関係で大切にしたい考え方を語っています。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「いい人なのに、年をとるほど人が離れていく人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

誰に対しても「いい人」であろうとしてしまう

「頼まれたことは、できるだけ断らない」
「誰に対しても、きちんと対応するようにしている」

そんなふうに、周囲の期待に応えようと頑張っている人は少なくない。

仕事では、頼まれたことを引き受け、メールにはすぐ返信する。
友人から誘われれば、多少無理をしてでも予定を合わせる。

もちろん、相手を思いやり、誠実に対応することは大切だ。
しかし、誰に対しても「いい人」であろうとすると、いつの間にか自分の時間がなくなってしまう。

目の前の頼まれごとを優先するうちに、家族との時間を削ってしまう。
付き合いで参加する食事会が増え、本当に会いたかった友人とは何か月も会えていない。

そうして、誰からも嫌われないように頑張っているのに、大切な人との関係が少しずつ薄くなってしまうこともある。

「いい人なのに、年をとるほど人が離れていく人」が、無意識にしてしまいがちなこと。
それは、すべての人の期待に応えようとして、本当に大切な人を後回しにしてしまうことだ。

人生の時間は限られている。すべての人に、同じだけの時間と労力を使うことはできない。

「自分ができる範囲」のことをする

では、周囲の期待に振り回されず、大切な人との時間を守るためには、どうすればいいのだろうか。

そのヒントになるのが、次の言葉である。

人生の最後に、あなたは誇りを持って過去を振り返り、「議事録はいつもきちんと作成した。スーザンからの電話には必ず折り返した。ビデオ会議にも数えきれないほど参加した」と言うかもしれない。
しかし、本当に誰もがそんな人生を送るべきなのだろうか?
別の生き方だってあるはずだ。超人にはなれないと潔くあきらめ、つねに未返信のメールをゼロにしようとするような試みはやりすぎであると素直に認め、自分なりにできる範囲のことをして、自分が望む自然な生き方をしてもいい。

――『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』より

私たちはつい、頼まれたことをすべてこなし、誰からも不満を持たれないようにすることが、いい生き方だと考えてしまう。
しかし、どれだけ頑張っても、すべての人の期待に応えることはできない。

仕事のメールにすぐ返信することも、誘われた食事会に毎回参加することも、それ自体は悪いことではない。
ただ、そのために本当に大切な人との時間を犠牲にしているのなら、一度立ち止まって考えてみたい。

ときには頼まれごとを断る。気が進まない誘いには無理に応じない。
そうして生まれた時間を、家族や親しい友人のために使ってみよう。

誰にでも「いい人」であろうとする必要はない。
大切なのは、すべての人に好かれることではなく、自分にとって大切な人を、きちんと大切にすることなのだ。