ADHD(注意欠如多動症)の当事者で、ASD(自閉スペクトラム症)とADHDの2人の娘さんをもつなちゅ。さん。新刊『ADHDの母が伝えたい 生きづらい女の子が覚えておきたいこと』では、子どもから大人まで一生使える具体的な対応策を伝えている。友人の家でトイレを借りた。ちょうど生理中で、サニタリーボックスも置いてある。このとき、使用済みのナプキンを捨てていいのか。著者がSNSで問いかけたところ、意見は大きく割れた。「絶対に嫌」という人もいれば、「黙って捨てても気にならない」という人もいる。正解のない問題だからこそ、知っておきたい身の守り方がある。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「ゴミ箱があるから、入れていい」ではない
友達の家や義実家などでトイレを借りた際、もし自分が生理中だったらどうしますか? このクイズに「正解」はありません。
でも、私の中では「答え」が出ています。
「トイレにサニタリーボックスが置いてあっても、使用済みナプキンは捨てずに持ち帰る」
これが、トラブルにならない対策です。
私は100均の「不透明ジップ袋」や専用の防臭袋を持参し、そっと持ち帰ることにしています。または、トイレにそのまま流せる「シンクロフィット」を使えば、「持ち帰るか捨てるか」というゴミ問題自体をクリアできます。
なぜ他人の家にナプキンを捨てないほうがいいのか?
ではなぜ、サニタリーボックスが置いてあるのに、生理用品を黙って捨てないほうがいいのでしょうか?
それは、「衛生面やテリトリーの感覚は、人によって大きく違うから」です。
自分が「これくらいOKだろう」と思っていることが、相手もOKとは限りません。そして、それぞれが持っている感覚の差がぶつかり合ったとき、人間関係のトラブルになりかねないのが衛生面の問題なのです。
以前、私がSNSで「使用済み生理用品、おじゃましたお宅のお手洗いにサニタリーボックスがあっても、個人宅なら持って帰るよね」と投稿したところ、大きな反響がありました。
「友達でも絶対に家のゴミ箱に捨てられるのは嫌!」という人もいれば、「使ってもいいけどひとこと言ってほしい」という人、中には「黙って捨てても気にならない」という人……。
個人の感覚なのでこれという正解はありませんが、コメントの中には「勝手に捨てられてモヤモヤした」「もう二度と家に呼ばないことにした」など、関係性に亀裂が入ったケースも見られました。
その場その場の判断が難しいからこそ、一律で「密閉袋に入れてそっと持ち帰る」という、最もトラブルになりにくい方法を選ぶのが身を守る術です。
他人の家でトイレを借りたら「振り返る」
もうひとつ、他人の家でトイレを借りたときに絶対に習慣づけたいのが、「個室を出る前に、必ず一度振り返って汚れがついてないか確認すること」です。
ADHD傾向が強い人は「振り返る」のが大の苦手。ひとつ行動が終わった瞬間に意識が「次の行動」に向いてしまうため、汚れがついたとしても気づかずに出てしまうのです。
だからこそ、意識的に動きを止め、振り返ることを強く動機付けましょう。もし汚れていたらトイレットペーパーでサッと拭き取り、流れていなければもう一度水を流す。
これも相手を不快にさせないための「最終防衛ライン」です。
なちゅ。
1980年生まれのワーキングマザー。発達障害(ADHD:注意欠如多動症)当事者。中学生と高校生の娘、そして夫も発達障害の特性を強く持つ。長女の発達障害診断をきっかけに、発達障害やそれに関連する分野の独学を開始。以来15年以上、自らの発達障害や子育てについてXを中心に情報発信を行う。仕事でも、障害福祉分野でマネジメント担当をしながら、個人事業主として講師業やスタートアップのサポートに従事。なかでも、自身の経験を活かした発達障害の親子のケアに力を入れている。
[医療監修]
本田秀夫(ほんだ・ひでお)
医師・信州大学医学部教授
1988年東京大学医学部卒。医学博士。専門は発達精神医学。信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 教授。信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部 部長。長野県発達障がい情報・支援センター「といろ」センター長。









