「部下が本音を話してくれない」と悩む管理職は多いもの。その原因は、あなた自身にあるかもしれません。書籍『伝え方ひとつで部下が動き出す 上司の「コミュ力」大全』をベースに、部下が心を開くコミュニケーションの秘訣を解説。漢字の成り立ちから紐解くある言葉の決定的な違いや、名作映画のセリフに通じる「共感を深める極意」とは? 部下との信頼関係を劇的に変えるヒントをお届けします。

なぜか部下が自発的に動くというマネジメントの極意・ベスト1Photo: Adobe Stock

部下が心を開く上司が実践していること

「部下が本音を話してくれない」「表面的な会話で終わってしまう」と悩む管理職は少なくありません。部下との信頼関係を築き、自発的な行動を引き出すためには、コミュニケーションの取り方を見直す必要があります。

その鍵を握るのが、「耳の傾け方」です。

相手の内面に向き合う「十四の心」

面談の席で、あなたはただ相手の言葉を音声情報として処理していないでしょうか? 真のコミュニケーションにおいて必要な姿勢について、次のように解説されています。

「聞く」は、偶然耳に入ってくる音や言葉を受けとることですが、「聴く」は相手の内面を理解しようとする意志をもって耳を傾ける行為です。「聴」という字が「耳」と「十四の心」から成り立っているのも、その意味をよく表しています。“相手の心に丁寧に耳を澄ます姿勢”が求められるのです。
――『伝え方ひとつで部下が動き出す 上司の「コミュ力」大全』より

業務報告のように単に情報を「聞く」だけでは、相手の抱える不安やモチベーションの低下には気づけません。「この言葉の背景には何があるのか」という意図を持って「聴く」ことで、初めて部下の本音に近づくことができます。

考えるだけでなく「感じる」ことで共感は深まる

しかし、相手の話を理路整然と分析するだけでは、真の信頼関係は生まれません。より深いレベルで相手を理解し、共感するためのヒントが提示されています。

さらに「観る」「聴く」に加えて、認知的共感を深めるためには「感じる」ことも欠かせません。映画『燃えよドラゴン』でブルース・リーが弟子に語る「Don’t think, feel(考えるな、感じろ)」という言葉は、共感においても非常に示唆的です。
――『伝え方ひとつで部下が動き出す 上司の「コミュ力」大全』より

優秀なマネジャーほど、「どう解決策を提示すべきか」とすぐに頭で考えてしまいがちです。しかし、まずは評価や判断を脇に置き、相手の感情の揺れをそのまま「感じる」ことが大切です。

部下の声のトーンや表情から、言葉以上のメッセージを全身で受け止めるのです。

「聴く」そして「感じる」。この二つのアプローチを意識するだけで、部下との関係性は劇的に変わります。これこそ、部下が自発的に動くというマネジメントの極意ともいえます。

次回のコミュニケーションから、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。