会議で説明するビジネスマン写真はイメージです Photo:PIXTA

「アジェンダ」「アサイン」「フィジビリ」……。職場で飛び交うカタカナ語や英字略語を、あなたはいくつ説明できるだろうか。意味を知らなければ会話についていけない一方、こうした言葉には「仕事ができる人」に見せる効果もあるという。なぜ、わざわざ難しい言葉を使うのか。昭和の「おっさんビジネス用語」との共通点から、職場で横文字が使われ続ける意外な理由を探る。※本稿は、文章コンサルタントの前田安正『赤ペンで直す知らない日本語』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。

「おっさんビジネス用語」は
なぜ使われてきたのか

 一定世代以上が多用する「おっさんビジネス用語」が近年SNSなどで話題に。主に高度経済成長期以降に使われてきた隠語や俗語的な性格を持つ用語で、職場のコミュニケーションを円滑にする役割も担っていました。

一丁目一番地:最優先課題

えいや:思い切って、力技で

交通整理:煩雑化した業務などを整理すること

よしなに:いい具合に

寝技:裏工作

ガラガラポン:いったん白紙にすること

がっちゃんこ:合わせて一つにまとめること

ペライチ:紙1枚の資料、Webサイト(シングルページ)

横文字の言葉を使いこなすと
「仕事ができる風」になる理由

「ビジネススキームのフィジビリがコンサバすぎると言われたのでリバイズしたものをマージしてデリバラブルにした」

 これは、あるマーケティング業界で働く人の話に出てきた言葉です。

 このような、いわゆる「ビジネス略語」は限られた業界や組織の中だけで機能する共通言語ですが、単なる情報伝達手段以上の役割も持ちます。

 まず「仲間意識」です。共通言語を使うことで「同じ共同体に属している」という感覚を共有できます。共通言語を使いこなせることが、そのコミュニティの一員という「身分証明」になるわけです。この点では「ホシ」などの警察用語や、女子高生のJK語などと同じ類いの「ムラ言葉」とみることができます。