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「感謝いたします」と「ありがとうございます」。伝えている内容は同じでも、受ける印象は大きく違う。ビジネスでは漢語やカタカナ語を使った改まった表現が好まれがちだが、実は、昔ながらの日本語のほうが相手に温かみや誠意を伝えられることもある。「故郷」と「ふるさと」の違いから、「小春日和」「風花」といった美しい言葉の意味まで、知っているようで知らない日本語の奥深さを探る。※本稿は、文章コンサルタントの前田安正『赤ペンで直す知らない日本語』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
「故郷」と「ふるさと」は
同じ意味でも響きが違う
今日、私たち日本人が使っている言葉は、生まれた場所によって大きく3つに分けることができます。日本で生まれた「大和言葉」、中国から伝えられた「漢語」、中国以外の国から入ってきた「外来語」です。このうちもっとも古くから日本人が使っていたのが大和言葉。和語とも呼ばれ、人から人へ語り継がれてきた言語でした。
弥生時代から古墳時代にかけて漢字が伝来したとき、日本人は大和言葉の音に文字を当てて使いました。この文字は、のちに編纂された『万葉集』で使われたため「万葉仮名」と呼ばれます。
万葉仮名は楷書か行書で書かれていましたが、漢字を書くのはたいへんなので、やがて字体を崩して草書体で書かれるようになりました。また、平安時代には草書体をさらに崩して「草仮名」と呼ばれる文字が使われるようになりました。その後、草仮名をもとにひらがなが作られ、おもに宮中の女性を中心に広まっていったのです。
江戸時代まで、子どもは「いろは歌」でひらがなを覚えました。五十音図もありましたが、いろは歌のほうが覚えやすく、日本人の感性にも合っていたのでしょう。明治時代になって政府は論理的な五十音図を学校教育に取り入れ、「あいうえお」が定着しました。







