また、その業界で働くには共通言語習得が必須です。共通言語を使いこなせて初めて「一人前の業界人」になれるのです。このため、業界用語には「仕事ができている風」をアピールする効果や、自分でも「しごでき」(編集部注/仕事ができる人)と思えるようになる効果もあります。

●ここで問題です。次の会話を誰にでも通じるように添削しましょう。

Q1

上司:「今日のアジェンダだけど、新規プロジェクトについて役割のアサインとスケジュール設定をやっておきたい」

部下:「わかりました。まずは現状のボトルネックを洗い出すところから始めます」

上司:「あとはプロジェクトのフィジビリがコンサバすぎるのも気にかかる」

部下:「では、リバイズしておきますね」

Q2

上司:「新しい研修制度のスキームを考えたい。方向性についてコンセンサスを取りながら進めたいな」

部下:「チームでブレストしておきます。過去の成功事例も参考になりそうですね」

上司:「これまでのナレッジを整理してデリバラブルにしておいて」

Q3

上司:「新サービスのローンチが近いけど、チームのやる気はどう?」

部下:「順調です。成果に応じたインセンティブがあるので、高いコミットメントを持ってやりきれそうです」

上司:「いいね!オンスケに進めて最高の形でローンチしよう!」

日本のビジネス用語は
なぜカタカナだらけなのか

 いったい、日本ではなぜこれほど多くのビジネス略語が用いられているのでしょうか。

 ビジネス略語の多くはコンサルやIT、Web業界、外資系企業などグローバルな業界で使われています。これらの業界では海外から次々と新しい概念や専門用語が入ってくるため翻訳が追いつかず、そのままカタカナにしたり略語にしたりして使われるのです。

 とはいえ、英語を英語としてではなく、カタカナ語として日本化してしまうのが日本語の面白いところ。「コンサバ」「アポ」「リスケ」などは短縮され、発音も英語とはまったく異なる国籍不明の言葉になって、日本社会の一部で堂々と市民権を得ています。

●ここで問題です。次の会話を誰にでも通じるように添削しましょう。

Q4

「FYI、昨日の打ち合わせのサマリーを共有します。特に予算のページは重点的に見てください」

「ありがとう。もし不明点があったら遠慮なくLMK」

「確認します。私からも追加事項があって反映しているところで、まだWIPです」

「クライアントから追加要望が来たら、ASAPで対応できるようにしておいてください」

「わかりました。遅くてもEODには最新版を共有します」

Q5

「了解。BTW、クライアントから追加質問きてたね。NRNでOKらしいけど」

「この申請、まだ部長のオーソライズ待ちなんだよね」

「本当?内容によっては上にエスカレーションしとくよ」

Q6

「来週のプロジェクト定例だけど、KPIの目標値ってもう決まった?」

「いやTBDで、リリース日もTBA。広告出稿の開始日はTBCだよ」

「OK。今回の売り上げ目標、正直ちょっとチャレンジング。スケジュールに少しバッファ入れとこう」