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かつて世界2位まで上りつめた日本のGDPが、2027年には6位に転落する見通しです。なぜ“勤勉で、教育水準も低くなく、薬物もやらない”日本人の暮らしは豊かにならないのか。背景にあるのは「政策のミス」なのか。そして、「サナエノミクス」は日本経済復活の起爆剤となるのでしょうか。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)
日本の貧困者は薬物もやらない
移民でもない、怠惰でもない…
国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しで、来年、2027年に日本はGDPでインドと英国に抜かれて世界6位に転落する見込みだと発表されました。
過去を振り返ると日本は2009年までは世界2位の経済大国でした。2010年に中国に抜かれて3位になったのは仕方ないとしても、2023年に人口が約8350万人とわが国の3分の2のドイツに抜かれたのは日本人のプライドを考えるとショックな出来事でした。
GDPは人口×1人当たりGDPで決まります。人口が日本の約7割しかいないドイツにGDPで抜かれたということは、国民1人当たりのGDPで日本がドイツを大きく下回っていることを意味します。
実際、OECDのデータに基づく2024年の労働生産性の国際比較でも、日本の時間当たり労働生産性はドイツの約6割にとどまり、主要先進7カ国(G7)で最下位です。同じ先進国でありながら、これだけの差がついているのです。
それで大問題なのは来年です。人口が大きいインドに抜かれるのは仕方ないとして、英国は人口6950万人と日本の6割弱に過ぎません。これはドイツに抜かれたこと以上に屈辱だと思いませんか?
さて、読者のみなさんも実感されているとおり日本は貧しくなりました。
証拠を3つ挙げましょう。物価上昇で日々の生活が苦しくなっていること。ハワイや香港に海外旅行に出かけるとランチが5000円などあまりの物価の違いに驚くこと。そしてインバウンドの外国人旅行者が「日本、安い」と大喜びしてくれることです。
バブルの頃は20代の若者が東南アジアへ旅行してブランド品を激安で買い漁ったものです。それは当時の日本の1人当たりGDPがG7でトップだったから。それが今では日本のひとりあたりGDPは世界38位(IMFの2026年4月時点の推計)になり、安い日本に世界中から買い物客が群がります。
SNSで定期的に拡散されている有名な文章があります。
「カナダの大学の経済学で取り上げられたそうだ。日本の貧困者は薬物もやらず、犯罪者の家族でもなく移民でもない。教育水準が低いわけでもなく、怠惰でもなく勤勉で労働時間も長く、 スキルが低いわけでもない。世界的にも例の無い、完全な『政策のミス』による貧困だと」
そこでこの記事では、日本のGDP6位転落という屈辱は「政策のミス」によるものなのか?ということと、「その政策ミスはサナエノミクスで逆転できるのか?」を考えてみたいと思います。







