健康診断で「LDL(悪玉)コレステロール値が高い」と指摘され、不安に思った経験はないだろうか。そんな悪玉コレステロール対策には、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸「EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)」が効果的と聞いたことがある人もいるだろう。では、どのくらいの量をどう取り入れるとよいのか? 手軽に実践できる「血液サラサラ」のための魚食習慣を、管理栄養士の星穂奈美さんに教えてもらう。
(本稿は書籍『疲れやすいオトナ女子を救う あなたの食習慣を変える100の提案』を一部抜粋・加筆し編集したものです)

青魚Photo: Adobe Stock

自覚症状がないまま血管を傷つける悪玉コレステロール

 コレステロールは、細胞膜の構成成分やホルモンの原料、胆汁酸の材料として、体内で重要な役割を担っています。

 LDL(悪玉)コレステロールは、肝臓から全身の細胞へコレステロールを運ぶ役割を持ちますが、過剰になると血管の壁に入り込んで蓄積し、酸化されて血管の内側にプラークと呼ばれる脂肪などの塊を形成します。これが血管を硬く狭くさせ、血流を悪化したり血栓を招く原因になってしまいます。いわゆる「動脈硬化」の引き金です。

 放置すれば血流が滞り、将来的に心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる疾患を招く危険性が高まると言われます。
 血管を柔軟で健やかな状態に保つために、日々の食事でも悪玉コレステロールの酸化や蓄積を防ぐアプローチを意識してみましょう。

青魚に多く含まれる成分「EPA」と「DHA」

 悪玉コレステロールを下げるためには、摂取する油の「質」が重要と言われます。おすすめはEPAやDHAを含む青魚(イワシ、サバ、サンマなど)です。 

 EPAやDHAは、ヒトの体内ではほとんど作ることができない「オメガ3脂肪酸」に分類されます。一般的に肉類の脂に多く含まれる脂肪酸が血液をドロドロにしやすいのに対し、EPAやDHAは血中脂質の改善に役立つと言われています。

効率良くEPA・DHAを摂るために

 厚生労働省が推奨するオメガ3脂肪酸の摂取目安量(成人)は、女性は1日あたり約1.7~2.0g、男性は1日当たり2.2~2.3gとされています。
 これから旬を迎えるサンマなら、1尾(可食部140g)で十分にまかなえる量です。

 しかしEPAやDHAは高温の加熱に弱く、酸化しやすいため、調理方法によっては失われてしまう弱点があります。摂取する際の工夫として次のポイントを押さえておきましょう。

●生食(刺身)で摂る:調理による栄養の流出が少ないため、効率よく魚の油を摂ることができます。ただし、酸化を防ぐためになるべく新鮮なものを選ぶように心がけましょう。

●水煮缶詰を活用する:手軽さを重視するなら、サバやイワシの「水煮缶」が最適です。缶汁の中にEPA・DHAが溶け出しているため、汁ごといただくのがおすすめです。

*参考:
・「日本人の食事摂取基準(2025年版)」厚生労働省
・「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」文部科学省

*「血液サラサラ」は医学的診断名ではなく、血液の粘度や脂質環境が整った状態を示す一般的な俗称です。EPAやDHAの抗血栓作用(血液を固まりにくくする作用)を指しますが、病気の治療効果を保証するものではありません。抗血栓薬を服用中の方や出血傾向のある方は、過剰摂取に注意し医師に相談してください。