逆に原作とイメージが近いと言われるのは、高橋文哉が演じるパラリーガルの船井だ。高橋は、原作でカン・テオが演じた主人公の理解者を好演。原作と見比べると高橋の方がより温和な印象を与えている。

好演でも拭えなかった
リメイク版への懸念

 一方で、不安を解消できない点もあった。

 9月に日本版の予告編映像が出ると、原作である韓国版と日本版の映像を比較した動画がXで投稿され、「日本版の映像安っぽすぎないか」との指摘があった。

 実際に映像表現にも、日韓で違いが見られる。韓国版では人物を周囲の空間ごと捉え、背景や光の使い方によって、その場の空気感まで伝える映画的な演出が目立つ。

 一方で日本版は人物のバストショットやクローズアップを多用し、いわば日本の民放ドラマでおなじみの撮影スタイルだった。

 こうした演出は単純に優劣をつけられるものではないが、空間を生かした韓国版の映像に慣れた視聴者からは、画作りが単調に映ったのかもしれない。

 如何ともしがたい差もある。韓国版の制作費は1話あたり約1億2500万円と言われる。『南田南弁護士は天才肌』の1話あたりの制作費は公開されていないが、通常民放ドラマは1話3000万円が相場と言われる。

 このため映像に出てくるセットや、ちょっとした小道具のクオリティでは韓国版に明らかに軍配が上がる。こうした積み重ねも、映像の贅沢さに繋がっているのだろう。

 それでも、確実にいえるのは『南田南弁護士は天才肌』が事前の評価を覆したという点だ。作品の良し悪しは、実際に見て初めてわかる。当たり前のことのようだが、SNSで放送前から作品の評価が広がる現在だからこそ、その大切さを改めて感じさせられた。