不適切アートを展示するグループ展が開催された東京日比谷の帝国ホテル不適切アートを展示するグループ展が開催された東京日比谷の帝国ホテル Photo:JIJI

帝国ホテル内のギャラリーで展示された作品がSNSで炎上し、ホテル側は「確認・許諾していない」と説明しました。しかし、それで責任を免れるのでしょうか。数々の企業の炎上対策に携わってきた筆者が、名門ホテルの対応に潜む問題を指摘します。(ノンフィクションライター 窪田順生)

帝国ホテルは被害者なのか
炎上で露呈した「異変」

「女児の裸体は芸術ではない」
「創作物とは言え女児の性器や乳首が丸見えなのはいかがなものか」
「娘をもつ親として、帝国ホテルの展示はおぞましく、むしろ犯罪を助長するとも思える…」

 そんな批判が殺到したのは、東京・日比谷の帝国ホテルインペリアルタワー1階にある「MEDEL GALLERY SHU」(メデル・ギャラリー・シュウ)で10月3日から13日まで開催していた「お籠もり会」。約30名のアーティストによるグループ展である。

「芸術の秋」にふさわしいはずのアートイベントが、なぜそんなボロカスに叩かれるようになってしまったのかというと、一部のアーティストによる頭に甲冑(かっちゅう)をつけた全裸の女児が椅子に座っている作品や、ツインテールの少女などがほぼ裸に近い姿で描かれているイラストなどがSNSで炎上したからだ。

 ギャラリー側はこの作品を撤去。ホテル利用者はもちろん、帝国ホテル側にも多大な迷惑をかけたと謝罪した。帝国ホテル側が公表したステートメントによれば「当該作品は、ホテル側の確認および許諾を得ていないもの」だったという。

帝国ホテルが公式サイトに掲載した謝罪文帝国ホテルが公式サイトに掲載した謝罪文

 さて、このような流れを聞くと、「確かに帝国ホテル側の管理体制の甘いところもあるけれど、ある意味で被害者だなと」と同情する方もいらっしゃるかもしれない。

 ただ、報道対策アドバイザーとして実際に大型商業施設の炎上対策をした経験から言わせていただくと、それは大きな間違いだ。

 今回の騒動が浮き彫りにしたのは、日本を代表する名門ホテルの危機管理というものが、絶望的にレベルが低いということである。