「退職した途端、誰からも連絡が来なくなった」「家族にも相手にされず、一日中、誰とも話さずに過ごしている」。そんな老後を想像すると、恐ろしくなる人も多いだろう。仕事を失い、人とのつながりも失い、気づけば自分の存在を気にかけてくれる人さえいない。誰からも会いたいと思われず、孤独になってしまう人には、どのような特徴があるのだろう。『世界の役員が教えてくれたこと――仕事に追われる人生」で終わらない生き方』が、その答えを教えてくれる。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

確実に「孤独な老後になる人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

気づかないうちに、人が離れていませんか?

「最近、家族があまり話しかけてこなくなった」
「昔はよく誘われていたのに、最近は声がかからない」

あなたも、そんなふうに感じたことはないだろうか?

なぜか周囲から人が離れていく人の共通点

仕事で嫌なことがあった日、私はつい不機嫌な顔をしてしまうことがある。

家に帰っても、家族の話にそっけなく返事をする。疲れているときに話しかけられると、「今はちょっと静かにしてほしい」と思ってしまう。

もちろん、相手に悪気があるわけではない。こちらも、わざと冷たくしているつもりはない。ただ、疲れているのだから仕方がない。そう考えてしまうのだ。

しかし、そんな態度が続けば、周囲の人は少しずつ気を遣うようになる。

「今は話しかけないほうがよさそうだ」
「また機嫌が悪いのかな」

そう思われるようになれば、自然と会話は減っていく。周囲からすれば、いつも不機嫌そうな人と一緒に過ごすのは気が重いものだ。

では、年齢を重ねても周囲に人が集まる人は、何が違うのだろうか。

「不機嫌でいること」に価値はない

『世界の役員が教えてくれたこと』には、こんなエピソードが紹介されている。

たとえば、会議の場で厳しい反対意見を突きつけられ、一触即発の緊張が走ったとき。多くのリーダーなら、顔を真っ赤にして反論するか、重苦しい沈黙で周囲を威圧してしまうかもしれません。
しかし、役員たちはここで、ふと口角を上げます。
「いやあ、それは非常に鋭い、本質を突いたご指摘ですね。では、その視点も含めて、一度じっくり検討してみましょうか」
内容に対して即座に反応する前に、まず自分自身の内側の状態を切り替える。
意識的に「ごきげんのスイッチ」を入れるのです。

――『世界の役員が教えてくれたこと「仕事に追われる人生」で終わらない生き方』より

役員たちは、どんなに大きな問題に直面しても、簡単には不機嫌な態度を見せないという。

それは、もともと性格が明るいからではない。

自分の機嫌が、周囲の人に大きな影響を与えることを知っているからだ。

誰かが不機嫌そうにしていれば、周囲は気を遣う。話しかけるのをためらい、言いたいことも言えなくなる。

これは、家庭や友人関係でも同じだ。
いつも不機嫌そうな人には、自然と話しかけにくくなる。反対に、穏やかに接してくれる人とは、安心して一緒に過ごせる。

つまり、機嫌のよさは、自分だけの問題ではない。周囲の人との関係を左右するものでもあるのだ。

確実に「孤独な老後になる人」の特徴・ワースト1

定年退職すれば、毎日顔を合わせていた同僚との交流も減る。子どもが独立すれば、家族と過ごす時間も変わってくる。

そんなとき、周囲の人が「また会いたい」「一緒に過ごしたい」と思ってくれるかどうかは、とても大切なことだ。

しかし、いつも不機嫌そうにしている人は、知らず知らずのうちに周囲を遠ざけてしまう。

確実に「孤独な老後になる人」の特徴・ワースト1は、自分の不機嫌を、そのまま周囲にぶつけてしまうことだ。

もちろん、誰にでも嫌なことがある。疲れている日もあれば、腹が立つこともあるだろう。

しかし、その気持ちを周囲にぶつける必要はない。不機嫌なときこそ、少しだけ表情を和らげる。話しかけられたら、穏やかに返事をする。そんな小さな心がけが、人間関係を変えていく。

今そばにいる人が、これからも一緒にいたいと思える自分でいること。

その積み重ねが、年齢を重ねても人とのつながりを失わない、豊かな人生につながるのではないだろうか。