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*本記事はきんざいOnlineからの転載です。
証拠金制度の二つの役割
証拠金制度には、すでに生じた損益に対応する役割と、将来の損失に備える役割がある。
前者を担うのが変動証拠金(VM)だ。ポジションを最新の市場価格で値洗いし、前回の計算から生じた損益を受け払いする。通常は日次で、相場が大きく動けば日中にも清算される。
後者を担う当初証拠金(IM)は、参加者の破綻後も残るポジションの損失に備える担保である。クリアリングブローカー(FCM)やCCP(清算機関)が反対売買やオークションで処理し終えるまで、市場価格は動き続ける。最後のVM清算から処理完了までに生じ得る損失を見積もる期間を、損失想定期間(MPOR)と呼ぶ。
先物は1~2営業日、清算された店頭デリバティブは5営業日、非清算取引は10営業日が一つの目安だ。VMはこれまでの損益を清算し、IMはこれからの損失に備える。
IMの安全性とレバレッジの仕組み
では、IMはいくら積めば安全なのか。
第一は、損失想定期間である。規制上の下限を踏まえ、CCPが商品の流動性やポジションの集中度、破綻処理の複雑さに応じて日数を設定する。
第二は、どのデータを使うか。直近相場だけを見るのか、危機を含む長い観測期間やストレスシナリオも加えるのかで、想定損失は変わる。
第三は、どの確率までカバーするか。99%VaR(Value at Risk)は、100回のうち99回程度は損失がその額以内に収まる境界を示す。99%ES(Expected Shortfall)は、その境界を超えた最悪1%の損失を平均し、テール損失の深さを金額で示す。







