理解不能な会社のルールに悩まされ、嫉妬による人間関係のもつれに巻き込まれ、時として金銭関係のトラブルにも襲われることもあるのがビジネスの世界。珍事やシュールな事件のほか、前述のセクハラ事件のように笑えない話もある。

 ビジネスパーソンが毎日足を運ぶ会社では、どんな「怪談」が起こっているのか。あなたにも心当たりはないだろうか……。徹底した聞き取り調査により、みんなが実際に体験した「会社の怪談」を集めてみた。

 なお、個人情報保護の観点から、コメントをいただいた人のプロフィールは、一部ぼかしているものがあることを、お断りしておく。

【怪談1】
冷房をつけるときは上長の許可が必要?
やっぱりヘンだよ「会社の慣習・ルール」

 まずは、ライトなエピソードから紹介しよう。

 多くの会社には、少し変わった慣習やルールがある。慣れてしまえばどうということはないが、それでもよくよく考えるとやはり違和感を覚えるものがある。中には不気味なものも……。

■「以前務めていた新聞社では、なぜか年末調整の還付金が手渡し。社長から直々に『お疲れ様!』と渡され『ありがとうございます!』と言って受け取るのが慣習。ボーナスじゃないんだから……と思っていた」(29歳・男性/フリーランス)

■「支店長が朝出社して席につくと、職務等級の高い人から一列に並び、『おはようございます』の挨拶。保守的・体育会系と言われる金融機関だけれど、こんなに前近代的だとは思わず、これを見た初日は鳥肌が立った」(31歳・女性/金融)

■「銀行の受け付け。指を湿らせる事務用海綿に水を足すのは新入社員の仕事。海綿の湿り具合の好みが先輩社員によって違うため、新入社員はその好みを覚えなければならない」(29歳・女性/金融)

■「冷房をつけるときは上長の許可が必要」(30歳・男性/制作)

 慣習やルールの中には、「それって、普通に考えると非効率では……?」と思えるようなものもあるから厄介だ。