ニトリ創業者の似鳥昭雄氏
74歳のとき、医師から「正真正銘、ADHDです」と告げられたニトリ創業者の似鳥昭雄氏。しかし、その診断は青天の霹靂でも絶望でもなく、「なるほど」と長年の疑問が解ける瞬間だったという。忘れ物の多さ、人づきあいの苦手さ、学校での苦労――。発達障害という言葉すら知らなかった経営者が、自らの半生を振り返る。※本稿は、実業家の似鳥昭雄(著)、精神科医の岩波 明(監修)『発達障害の私だからこそ、成功できた』(祥伝社)の一部を抜粋・編集したものです。
74歳で発達障害と診断され
「しっくりくるな」と納得
「そうですね、似鳥さんは発達障害です」
普段から通っている病院の先生は、私にそう言って、さらにこう続けました。
「正真正銘、ADHDです。気がつかずにここまできて、仕事も成功なさったのは良かったですね」
74歳で「発達障害」の診断を受けた私は、ほんの少しのショックも感じませんでした。本当にまったくです。診断の数日前まで、「発達障害」という言葉すら知らなかったから、ネガティブなイメージもポジティブなイメージもありません。何の先入観もなく、ただただ先生の説明を「なるほど、そういうものか」と聞いていました。
「これは糖尿病や痛風といった病気の名前ではなく、その人が生まれつき持っている脳機能の偏りの総称です」
「脳機能に偏りがあるから、思考や行動のパターンに独特の特性が出ます」
「病気ではないから、治すべきものではないのです」
「ポジティブに表現すれば、脳の個性です」
診断を受けた私の素直な感想は、「しっくりくるな」でした。
私が診察を受けることになったのは、ぼんやりと見ていたテレビ番組がきっかけです。







