8月30日、経済社会総合研究所(内閣府)は、「夫婦の出生力の低下要因に関する分析」と題するディスカッションペーパーを公表した(PDF)。少子高齢化こそが、わが国が直面する最大の政策課題であり、そのために人口を増やす政策を総動員する必要があることは、これまで当コラムでも何度も述べてきたところである。その鍵となる出生率の低下については、未婚化の影響が大きいことが指摘されているが、カップルの出生児数の減少も大きな要因の1つである。後者に焦点を当てた当ディスカッションペーパーの分析を見てみよう。
家事・育児を妻と折半する夫はわずか11%
まずは、男女各5000人ずつのアンケート調査による基礎データから。「知り合ったきっかけ」であるが、「社会人になってからの仕事関係(32.5%)」、「友人などの紹介(20.3%)」、「高校・大学時代の学校・サークル関係(11.5%)」がトップ3を占める。次が、やや意外に思われるかもしれないが、「インターネット上で趣味や友人を作るためのサイト(5.6%)」であり、「結婚情報サービス(2.2%)」は、未だ「お見合い(2.6%)」に及ばない。
「結婚のきっかけ」は、「お互いの結婚したい時期が一致した(58.0%)」、「相手に強くアプローチされた(15.7%)」、「子どもができた(12.5%)」の順だが、20代前半では子どもができた(50.3%)がトップを占めていることが注目される。
「結婚または子どもができたことを機に、仕事をやめたもしくは転職した経験の有無」をたずねたところ、男性では「ない」が86.5%を占めるのに対し、女性では「ある」が59.3%にも達している。
そして、「現在無職の人の就業意向」をたずねると「すぐにでも働きたい」が21.8%、「子どもがある程度の年齢に達したら働きたい」が58.0%を占める。
「自分の職場における子育てと仕事の両立しやすい環境状況」では、まあそう思う(43.2%)、あまりそう思わない(28.4%)、そう思わない(15.3%)、そう思う(13.1%)の順となる。