ガイトナー財務長官とバーナンキFRB議長のネクタイが3月24日に話題になった。
米上院金融サービス委員会でAIGの救済策に関する公聴会が開かれたこの日、証言のために並んで座っていた2人のネクタイが非常に似た色、柄だったのである。2人とも明るい青地に斜めストライプだった。
おじさん2人が、お揃いのように似たネクタイを締めて並んでいる図はちょっと奇妙である。
この前日、財務省とFRBは異例の共同声明を発表している。金融システム危機における両者の役割を再確認するものだった。両者の協調体制の維持を強調するとともに、FRBの独立性の重要性が明記されていた。
市場では、1951年に両者のあいだで形成された「アコード」(国債管理政策と金融政策を分離する合意)になぞらえて、今回の共同声明文を「新アコード」と呼ぶ声も聞こえる。
その発表の翌日に、ガイトナー長官とバーナンキ議長が、偶然とはいえネクタイ柄で「アコード(調和)」を見せたため、「ウォールストリート・ジャーナル」のウェブサイトにはからかう記事が掲載されていた。
ところで、FRBは先日、3000億ドルの米国債を購入する政策を決定している。また、ガイトナー長官の「バッドバンク」構想にも、FRBがTALFという消費者ローン市場などを救済するための貸出制度を転用して巨額の資金を融資する方針が示されている。