まさかのエンディング
最後に仕掛けられた究極のメンタリズム
中野渡から、まさかの出向命令。あの半沢がこのままで終わるわけがない。続きはドラマ版パート2か?それとも映画か?
続きに含みをもたせたこのテレビドラマの終わり方の手法を、「ツァイガルニク効果」と言われています。これは、完了した情報よりも「未完」の情報のほうが、記憶に残りやすいという心理効果のことです。ドラマやアニメが1話完結せずに“いいところ”で終わるのはこのためです。未完で終わることによって、見る者の記憶力が高まり、一週間後でも前回の話を鮮明に覚えているという現象を促しているのです。
このツァイガルニク効果、実はビジネスにおけるプレゼンや交渉にも効果的に役立てることができます。方法は簡単。最後の最後に、未完の情報を付け加えるだけです。
プレゼンでは、今後の展開や現在進行中のプロジェクトの内容を、商談では相手が興味を持ちそうな情報を、最後に“さわりだけ”軽く紹介して終わらせるのです。こうすることで、提案や商談内容が先方の記憶に残りやすくなり、脳に強い印象としてしっかりと刻みつけることができます。「次へとつながる情報」をプラスするだけで、相手はあなたと次回会うことが楽しみになるのです。
そう、みなさんや私が『半沢直樹』の続編を楽しみにしているように。
ドラマの場合は、翌日には視聴率というわかりやすい成果が発表されます。ビジネスの場合は、全部が全部、即数字で表されるものばかりではないかもしれません。しかし、ビジネスの現場で役立つメンタリズムを知っているだけで、1ヵ月後、半年後、1年後には必ずみなさんは結果を手にするはずです。ぜひ、私がこれまで公開してきた「ビジネスメンタリズム=心理戦略」で“倍返し”の成果を手に入れていただければと思います。