スマホを活用したファッションの新しいサービス「WEAR(ウェア)」がスタートした。このサービスは、専用アプリをダウンロードしたスマホで、店頭の商品のバーコードをスキャンすることで、そのファッションアイテムの情報やコーディネート画像をスマホに取り込めるというもの。
開発したのは、「ZOZOTOWN」や「LA BOO」などのモール事業をメインに展開するスタートトゥデイ。スタート時点ですでにUNITED ARROWS、URBAN RESEARCHなどの人気ブランドをはじめとする約200ブランドが参画している。
「ひとつのブランドを紹介するアプリではなく、さまざまなブランドを横断的に紹介しながら、アイテム情報やコーディネートを楽しみ、友だち同士で共有できる」と、その新しさを語るのは、スタートトゥデイWEAR事業部の中川龍氏。
そうした特徴をもたらした主な機能は3つ。まず「コーディネートレシピ機能」は、モデルやデザイナー、有名ショップスタッフなど、ファッションリーダーたちのコーディネートがあらかじめ登録されており、ユーザーは自由に閲覧することでお気に入りの着こなしに参考にできる。
目玉となるが、自分のスマホで店頭の商品タグに印字されているバーコードを読み取ることができる「バーコードスキャン機能」。読み取った商品情報やそのアイテムを使ったコーディネート画像はアプリ内に保存されるので、自宅でゆっくり検討した上でZOZOTOWNやブランドのネットショップで購入したり、友だちと情報共有することも可能だ。
また、「マイクローゼット機能」は、自分の所有アイテムを登録してマイカタログのようにストックし、友だちと共有することもできる。「タンスに眠っているアイテムの整理や新たなコーディネートを見つけるというシーンも想定しています」(中川氏)
パルコでの試験的導入もスタート
スキャンした情報やコーディネート画像が、ユーザーのスマホに保存されるという特性は、いつでもその商品を思い返してもらえる可能性があり、ショップにとっても大きなメリットがある。
さらに、「ファッションにそれほど興味のなかった人にも、コーディネートやファッションアイテムの楽しさを知るきっかけになってほしい」(中川氏)と言うように、新しいショッピング体験を通じた市場の活性化も視野に入れている。
11月8日には、パルコ4店舗(渋谷、池袋、千葉、名古屋)での試験的導入もはじまった。大型店舗チェーンではWEARを導入しないと表明する企業もあり、対応は分かれているが、この新しい試みは市場にどんなインパクトを与えるのか。大型施設での成否は、その後の普及に大きな影響を及ぼすだけに注目したい。
(加藤 力/5時から作家塾(R))