日本株は膠着状態。日経平均株価は2カ月以上にわたって、1万3800~1万4800円という幅の狭いレンジで推移している。要因は大きく分けて三つある。企業業績、アベノミクス、為替レートだ。いずれも期待と失望のはざまを揺れ動いている。

 まず、企業業績については、7~9月期決算発表がほぼ一巡。9月は中間期末であるため、通期予想が見直されることが多い。従来の会社予想は慎重過ぎるとみられており、決算発表と同時に上方修正されると期待されていた。

 実際、主要200社を集計すると、上期の決算結果は悪くない。前年同期比48%の大幅増益で、8月時点のアナリスト予想を5%、会社予想を15%上回る経常利益をたたき出した。

 しかし、2014年3月通期見通しは33%増益ではあるものの、従来の会社予想並みにとどまり、アナリスト予想を6%下回っている。好調ながらも、株式市場の期待には届かなかった。

 次に、アベノミクスについては、「総論賛成各論反対」的な状態か。株式市場も成長戦略のプランまでは高く評価したが、実行段階に移るにつれ、あと一歩踏み込み不足との評価に傾きつつある。中でも期待はずれ感が強いのは、規制緩和だろう。