しかし、そこまでの実感を持っている人は、決して多くはないはずだ。横並び主義の結果、その会社がなくても社会は困らない。存在しても悪くはないが、いなくなっても困らない「交換可能な会社」は残念ながら少なくない。しかも、自分の所属する会社の商品が他社に劣っているとすれば、その仕事を一所懸命に行う、さらに、その仕事さえ奪われてフリーライダーなどという扱いに甘んじることに何の意味があるのだろうか。

 そこを見極めるためにも、繰り返すが、まずは自分の人生のオーナーになってほしい。そして、会社との関係を客観化し、その先にある社会を見詰め、自分は社会に対して何ができるかを考えてほしい。もしそれが、自分の会社でできるのであれば、躊躇せずに挑戦してほしい。会社に提案してでも、ぜひ実現してほしい。それは幸せなことだ。ただもし、それが今の会社ではできない、あるいはやりきれないと思うのであれば、外に出るということも選択肢に入れたほうがいいはずだ。

 その方が社会のためになるし、第一自分が幸せだろう。社会人材は自分の幸福追求も決してないがしろにしない人材だ。

 誤解してほしくないのは、私が今まで述べてきたことは必ずしも転職や独立の勧めではない、ということだ。社会だけでなく、会社もまた常に次の事業を探している。日本の大企業の多くは、このままではダメになるとわかっているのだが、次なる事業展開の方向決めに悩んでいる。なのに、いっこうに社員からはいいアイデアが上がってこないと、多くの経営者は歯噛みしているのだ。

 だからこそ、自らが何らかの義憤を持って、これをやれば世の中が幸せになる、そしてビジネスになるというアイデアを考えて、臆せず会社に提案してみることをお勧めする。もちろん、そのアイデアが一発で採用されるとは限らない。しかし、そこから新たなやり甲斐が必ず生まれるはずだ。

 その方法論や自分の磨き方、表に飛び出すためのマインドセットなど、これからどしどし紹介していきたいと思っている。


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筆者である野田稔さんと伊藤真さんが塾長を務める
人材の再教育を通じて雇用の流動を高め、社会全体での終身雇用を目指す
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