ソーシャルゲームバブルの影響で、同業界では年収500万、1000万円という新入社員も珍しくなくなってきた。そんな彼らは「ソシャゲバブル入社組」と言われているそうだが、家庭用ゲーム業界では、高額報酬が支払われるケースは珍しくない。たとえばミリオンセラーソフトの開発に携わると、報奨金として3000~5000万円支払われることもあるし、有名プロデューサークラスになると1人で1億円が支払われたケースもある。「ソシャゲバブルも終わったから、もうそんな高報酬の時代はない」と考えるのは、何度も(プチ)バブルと不況を繰り返すコンテンツ業界に限っては間違っている(と思う)。新人もベテランもこの記事を読んで、来たるべき次のバブルに備えよう。
年収1000万円の新入社員は
「年収1000万円の自分」という価値がすべて!?
数あるコンテンツ業界の中でも、ゲーム業界は(プチ)バブルと不況を繰り返してきた。中でも1990年代前半の任天堂の家庭用ゲーム機「スーパーファミコン」バブルと、90年後半から2003年くらいまで続いたソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション1&2」シリーズバブルという2つの業界バブルは非常な高収益をもたらしたものの、両方ともその直後にリストラが必要なほどの不況が発生し、今でも関係者の語り草となっている。
ただし、ゲーム機のヒットがそのまま業界全体を巻き込むバブルになるとは限らない。たとえば、全世界で1億台が売れた任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」では業界バブルは発生していない。業界バブルになるかどうかは、その時の状況によるのだ。
経験者や人事関係者によると、高報酬の理由こそ異なるとはいえ、新入社員にもベテラン社員にも共通のある問題が発生しやすいという。それは、両者ともに“いきなり”高額所得を得ることによって生じるそうで、宝くじの高額当選者の問題に近いかもしれない。ちなみに、1000万円という額は「年末ジャンボ宝くじ」の1等前後賞(1億円)の10分の1、100万円が当たる2等なら10本当選と同額になる。
9月上旬、ソーシャルゲーム大手の「グリー」が、大阪オフィスを閉鎖するといううわさが業界内で広がった。同社の元開発系社員は「そのうち本社でもリストラを始めるので、大阪は一部を除いて解雇の方針というウワサも流れ、社員はだいぶ動揺した」と話す。