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いきなり年収1000万円になっても、これで大丈夫!?
ソーシャルゲームバブル入社組に憧れるあなたに贈る
ゲーム業界の歩き方2013・幸せマニュアル編

石島照代 [ジャーナリスト]
【第46回】 2013年12月6日
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 そこで、前出の人事関係者は次のようにアドバイスする。

 1)高給は今だけ、来年は下がると思って働く。安定するのは執行役員以上からと心得る。実際に、6000万円台の高級外車を新車しかも即金で買ったものの、翌年税金を払えずに手放した開発職がいた。所得税や住民税などの基本税は昨年度の収入に対してかかることを、とくに新入社員は忘れないようにしよう。

 また、業界内の嫉妬やねたみは想像以上に凄まじい。匿名掲示板などで悪口を書かれるような、足の引っ張り方をされないように、収入額の口外は社内でもしないこと。

 2) Aさんのように貧乏なうちに結婚するか、もしくはいきなり結婚しないで数年は様子を見る。また、開発チーム内での恋愛は泥沼になりやすいのでなるべく避ける。今までまったくモテなかったのに、いきなり美人がすり寄ってきたら、やはりおかしいと思おう。

 ちなみに、新入社員や実績を出した開発職が高報酬をもらうことの是非だが、筆者は「まったく問題ない」と考える。理由はコンテンツ業界特有の性質による。

 筆者は拙著「ゲーム業界の歩き方」でゲーム業界をプロ野球業界に例えて解説したが、その理由はプロ野球業界もまた、億クラスを稼ぐスーパーヒーローから、サラリーマン並みの年収で細々とくらす裏方さんなど、さまざまな給与体系の人が混在しているからだ。

 もちろん、開発職と非開発職がコンビを組んで仕事をすることが良い実績につながることは拙著でも書いたとおりだが、それでも0から1を産み出せる優秀な開発職がいないと会社そのものが存在し得ない。そのため、給料格差はコンテンツ業界の維持のためにも、ある程度は許容せざるを得ないと考える。

 新入社員の高年収は、本人が入社祝い金と自覚して来年は下がると覚悟していれば問題ない。コンテンツ業界で働きたい人はその特殊性から、一部の非開発職系をのぞいて定年まで働けるような業界になっていないことを覚悟しよう。そのかわり、企業側もバブルが発生するような高収益を得たときは、報奨金で非開発職も含めてその結果に報いてほしいと思う。

 がんばって稼いでコンテンツ業界を発展させ、来たるべき次のバブルではあなたが主人公になれるようがんばってほしい。ただし、コンプガチャのような、クリエイティブ性を無意味にするもの以外のやり方で。

*おことわり 今回ご紹介したケースは全て実話ですが、個人の特定につながると考えられる部分は筆者の判断により変更しています。ご了承ください。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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