また、その変化の有り様は、振り子に似ている。右に振れすぎたら、今度は左方向へ戻る。左へ振れすぎたら、今度は右方向へ戻る。人員を極限まで減らして残業を増やしすぎたら、今度は人員を増やし残業を減らそうという力がかかる、ということだね。

 この動きの積み重ねが、景気循環にも影響していく。

 ちなみに、キミの職場でも、サービス残業を理不尽に感じる人は他にもいるはず。周りを見渡してごらん。

 そういった人が増えてきたら、この振り子が振れる方向が逆に向くサインでもあるんだ。そのうち現場の誰かが問題提議の声を上げはじめ、徐々に会社を変える大きなうねりになっていくんだ。

 このうねりを感じ取る感性は、社会人としてとても重要なスキルだ。いくら正論であっても、大きなうねりに逆らって主張しても、なかなか通らない。

 周りをよくよく観察して、キミの主張が通りそうなサインや共感してくれる人を見つけて、そこに働きかけていくのが賢い方法なんだ。

 それと、サービス残業の理不尽さを指摘するだけでは、実は解決にはつながらない。それだけなら、勇気さえあれば誰でも言える。社会人としてさらに大事なのは、その理不尽さの指摘とともに、解決する方法まで提案する習慣だ。「どうすればサービス残業を減らせるか」を考えるということだよね。

 だから、理不尽さをあげつらうばっかりはいけない。

 まず理不尽なサービス残業が起こる原因を見つけよう。原因が見つかったら解決策を考える。解決策の仮説が出てきたら共感してくれそうな先輩に相談するんだ。ここで共鳴できて、一緒に上司に残業を減らす方法の提案をできるとバッチリなビジネスパーソンだなぁ。