派遣から正社員になりたいという悩みはよく耳にする。確かに正社員には「安定」というメリットがある。でも正社員だからこそのデメリットもあるんだ。それらを踏まえた上で、キミが最終的には何を大事にするかだと思う―。いまさら聞けないカイシャのあんなことやこんなこと。“楽天的キャリアナビゲーター” 前川タカオがズバリお答えします!
A19:安定より、仕事の中身を覚悟してからだよ。
ふーむ。キミのような悩み、よく寄せられるんだ。派遣なら仕事内容と勤務時間が決まっててやりやすいという人もいるけどね。でも、やっぱり安定してて、自分の居場所となる場所を見つけたい、そのためにもう一度正社員へチャレンジしたい気持ちもよくわかる。悩ましいな。
ちなみに、キミのように派遣形態で働く人たちはここ10年ほどで急速に増えてきてるんだ。雇用者(役員は除く)に占める派遣社員の割合は、2000年に0.7%だったのが、2006年には2.4%と3倍以上もシェアが伸びてきてる。
現在働いてる人のうち、派遣に加えて契約、嘱託、パート・アルバイトなど正社員以外の人を束ねた比率は、もう正社員比率とほぼ半々まできている。リクルートワークス研究所の予測やと、「正社員時代は2010年までに終息する」。時代の大きな流れとしては正社員への道は険しくなりそうだ。
この10年で、企業は正社員が固定人件費となって、業績に関わらず重くのしかかるコワさを思い知った。少なくとも、その記憶が鮮明に残っている人たちが採用の決定権を持っている間はそうカンタンに若手というだけで採ってくれない。採りたいけど、厳しい採用基準を満たさなければ採らないのがホンネだ。