「市教委の報告書には…」「ユーチューブから…」
呆れるほど客観性に欠けた報告書

会合に出席した5人の委員のうち、記者会見には4人が揃った

 意見交換ではまず、昨年8月の第4回委員会の頃まで、ずっと時間をかけて検証してきた津波の挙動について、話題に上った。

遺族「津波の襲来について、さんざん分厚い報告書を作り、毎回、何の根拠もないデタラメな報告してましたよね。結局、最終案にはほぼ載っていない」

室崎委員長「津波がどういうふうに来たのかの解明は、検証委員会にとって重要なこと。その中で、少し不正解な部分があった。少し間違っていた部分は、報告書から削除しました」

遺族「無駄な時間と労力、経費を使ったわけですよね?」

室崎委員長「津波がどういうふうに来たのか、理解するのにとても役だった」

 このように、受け止め方は平行線をたどったままだったが、津波到達時刻や襲来状況については、すでに目撃証言などから、1年前にはわかっていたことである。

 この検証委員会は、絶対的な事実までも疑って調べているから、答えが出てこない。結果的に、ムダなことばかり調べていると批判もされる。

 一方で、信ぴょう性に疑わしい部分があると再三、指摘を受けている箇所は、そのままにされている。そうした矛盾を挙げていったらキリがない。

 例えば、石巻市教委は、2011年の6月4日の第2回説明会のとき、校庭で津波にのまれたときの様子を次のように報告書で記している。

<津波はすごい勢いで子どもたちを飲み込んだり水圧でとばしたりした。後ろの方で手をつないだりしていた低学年の子どもたちも津波に飲み込まれた。ほとんど同時に学校側からも津波が来て、学校前は波と波がぶつかるように渦をまいていたという>

 目撃した人でなければ表現できない、実に具体的な描写だ。

 ところが、検証委員会の最終報告書案には、まったく記されていない。遺族は、こう問いかける。

「これは誰の証言ですか?ご説明をお願いします」

 市教委の同じ報告書には、<「山さ逃げよう」とかいう男子がいたが、そのまま引き渡しを続けた>という記述も載っている。しかし、生存児童たちの聴き取り記録には出てこない。