最後に評価を下げる候補者の態度
採用面接で高く評価してもらい、「ぜひあなたが欲しい」と言ってくれたはずなのに、いざ入社してみるとなんとなく社長や人事からの評価がいま一つと感じる。そんな中途採用者はけっこういるものです。こうしたケースがよく起こるのは、オーナー経営者のいる中小企業やベンチャー企業です。
その原因の多くは、候補者の決断場面にあります。企業が内定を出した後、候補者がどう入社を決断するか。そこで気持ちよく決断する人は好意的に迎えられ、その会社で成功する確率が非常に高くなります。
ところが決断場面でウジウジと悩みだし、いつまでも逡巡しているようだと一気に評価がひっくり返ることがあるのです。ときには「もうあの人はいらない!」と私たちに言ってくることもあります。
「あの程度の気持ちなら、別に来てくれなくても……」
「そんなにうちが気に入らなければ、もう採らなくていいよ!」
企業のトップがそう言い出し、我々がなんとかなだめたことはたくさんあります。あまり転職希望者には意識されていませんが、やはり一事が万事なので決断の場面は評価に大きく反映されます。オーナー経営者だけではなく、ベテランの人事担当者も決断場面はよく見ています。
もちろん候補者が他の会社にも応募しており、それとなく「他に第一志望の会社がある」「御社は第二志望」と伝えているような場合は決断を迷っても問題ありません。しかし、「御社が第一希望です」「ぜひ入社したい」と面接で話していたのに気持ちよく決断しない人は当然、評価が下がるわけです。