ところが、環境や状況は変わらなくても、ストイックな精神を持たなくても、やろうと思えばできるのだ。文字通り、本当に毎日、1日の終わりにはお酒を楽しんでいた私が、1月は平均すると週に2回休肝日を設けている。変えられない環境はそのままに。変えられる環境のときは「飲まない」という今までと違う選択をする、それだけのことだ。そればかりか、飲んだ日も、最初の一杯で終わっている日が少なくない。

 この変化のために自分に導入した鉄則は、「モチベーションを維持するには、何かしらアクションを起こし続けることが欠かせない」である。そのため、飲んだお酒の種類と量を手帳にイラストで書きこむようにした。ちなみに、たまたま休肝日が週2日になったが、日数は決めていない。仕事をしていれば会食もあるし、日数縛りはストレスになって続かない、と思ったからだ。

 私はランニングした日も手帳に書くようにしているが、書くと走る回数は自然と増える。見える化をすると、無意識にイメージする習慣ができるので、脳が勝手に良い選択をしてくれるようになるのだ。

 このように、ただ書くだけでもいい。とりあえず、行動にうつすこと。脳が目標を追うモードになるためには、頭の中でこねくりまわしているだけではダメなのだ。できない理由を書き出してみる、友人と休肝日について話してみる、手帳に今日食べたものをつけてみる。そうして動きはじめると、何かしらの発見もあるはずだ。

 私自身、そうして始まった休肝日への意識は、思わぬ効用を生んだ。記録をつけてみることで、お酒を飲みたいのではなく、食事をより楽しみたい、という気持ちの方が強いことを改めて感じた。もともと、お酒は好きだけれども強くないこともあり、アルコール度数に食事の楽しさは左右されない。アルコール度数5%程度のビール1杯でも、14%程度のワイン1杯でも、同じように楽しめる。そうすると、同じ一杯でも、より肝臓に負担の少ない良い選択をできるようになった。

 飲む量を減らそう、だなんて思っていなかったのに、体が自然と量を控えるようになった。これには反省点も多々ある。毎日ジャンクな食事をしている人はその食事の重さや不健康さに気がつきにくいが、普段健康的な生活を送っている人は、たまにジャンキーな食事をするとその違いに気がつきやすい。私も、お酒に関しては前者だったようだ。たまに休肝日があると、頭もクリアだし、元気度が違う。飲んだ日との差を明らかに感じるようになった。最初の一歩を自分が踏みだしさえすれば、脳は自然と快適な方を選んでくれるようだ。