男性のみで開発していた時も、グループインタビューを頻繁に行って、女性ユーザの声を聞いていたが、そのまま技術に翻訳するような作業になっていたという。女性が企画をするようになると、ユーザの声を参考にしながらも、自分の考えを技術に表すようになり、その方がヒット商品が生まれやすくなった。そして今では、プリクラの画像処理技術は、どんなユーザをも理想的に美しく変身させながら不自然にはしない、世界で類を見ない高度な技術になっている。

 このように、女性の使い手の希望を最も精度高く叶える技術を作るためには、女性が技術を理解し、開発に大きく関与する必要があると考えられる。その最適な関与の仕方を得ることが、これからの女性的エンジニアリングの時代の課題である。

参考文献
(※1)久保友香・馬場靖憲、「2タイプのリード・ユーザーによる先端技術の家庭への導入モデルの提案―IH技術に対する調理システムの開発と普及―」、シンセオロジー、Vol.2、No.3、pp127-136、2009年9月.
(※2)久保友香、「美人化装置としての『プリクラ』」、日本バーチャルリアリティ学会誌、Vol.17,No.2,2012年6月、 pp.90-94.