給料がちっとも上がらない一方で
ミルフィーユのように負担が積み重なる

――問題は消費税増税ばかりではありません。足もとでは、所得税や個人住民税の増税、児童手当の所得制限や高校授業料無償化制度の所得制限といった給付削減、さらに厚生年金保険料や健康保険料の上昇といった社会保険料の負担増など、増税・負担ラッシュが続く見通しです。

 消費税増税に加えて、そうした色々な負担が一気に押し寄せてきているのです。給料が上がらないのに、一方でミルフィーユのように負担が積み重なってくる。これは家庭にとって、本当に痛いですよ。

―― アベノミクスのインフレ目標による物価上昇不安もありますね。

 物価は一部で上がり始めていますが、足もとを見れば日本はまだデフレです。生活物価が顕著に上昇しても、これを買うための収入の上昇が見えない。現状はインフレの対極、つまりデフレが持続する見通しです。

――経済環境的にはインフレになりにくくても、消費税増税には生活物価を押し上げる効果もあります。それでも、インフレ懸念はないでしょうか。

 消費税増税で商品やサービスに価格転嫁をする企業はあるだろうから、当然物価は上がるでしょうね。ただ、物価が上がっても給料が増えなければインフレは起きません。それどころか、増税後は消費者が買い控えを起こすかもしれない。そうなったら、なおさらデフレ脱却はできません。

 また、そもそも景気がよくなっても必ず消費が増えるわけではない。たとえば、2002年~2007年後半まで、日本は戦後最長の景気回復期にあり、一時期デフレ脱却宣言も行われましたが、結局デフレを脱却できませんでした。

 その背景には、小泉内閣や第一次安倍内閣の政策によって雇用の流動化が起き、低賃金の労働者が増えたことがあります。景気が回復しているにもかかわらず、国税庁の民間給与の調査では、その間も給料は下がり続け、11万円も下がってしまいました。今の第二次安倍内閣も基本的には同じ方向を目指しているし、それらを考えても、私は現状でデフレ脱却は難しいと思います。