消費増税を3ヵ月後に控えているのに、いまだに駆け込み需要が盛り上がってこない。が、心配めさるな。前2回の増税でも駆け込み需要は3月に集中。駆け込み需要は高級品から日用雑貨までまんべんなく発生する。来るべきその時に備えて、どのような準備が必要かを考えてみよう。

電通は駆け込み需要の
市場規模は9兆円と予想

「消費税の増税ぐらいで、駆け込み消費なんか起きませんよ」

 そう思っている人は思いのほか多いと思います。実際、昨年10月に出版した私の著書『消費税アップを逆手に取る販促テクニック』 (双葉新書)は、そのように思った編集者が多かったらしく、複数の出版社で企画がボツになりました。

 しかも、ようやく双葉社の尽力によって出版までこぎ着けたのですが、いまだに増刷がかからず、ぼちぼちの売れ行きの状況です(内容は自画自賛でとっても良いのですが……)。まさに消費税の増税に向けた、駆け込み消費に当て込んだ本の出版。このような状況では、経営コンサルタントとして面目が立ちません。

「このまま駆け込み消費なんて起きずに、私の本は売れないのではないか」

 そんな不安な思いでいるなか、昨年11月20日の日経MJの紙面において、電通から消費税増税による駆け込み消費の予測が発表されました。

 内容を簡単にまとめると、次の通りです。

・1997年の消費税増税に比べて、2014年は1.7倍の消費規模がある
・駆け込みの消費市場は9兆円規模
・そのうちファッション衣料は5割増の1兆6000億円
・スマホやタブレット等の情報家電の売上は通常月の3割増
・昨年6月に行われた電通の消費者調査によると、約7割の人が「駆け込み消費をする」と回答

 と、景気のいい話がズラズラと発表されました。