そうですね。技術革新などによって新しい産業を育てて行かないと、経済は上向きません。近代以降の日本は、繊維、鉄鋼、自動車というように、時代ごとに新しい産業が育ってきたからこそ、経済大国であり続けることができた。しかし、ここ10年あまりを振り返ると、そうしたイノベーションは起きていません。

 そんななかで最近小泉元首相が唱えている「脱原発」は、新エネルギーに関わる産業を生み出すためのイノベーションにつながる可能性がある。私はかつての小泉構造改革には賛成できませんが、今回の彼の主張には、納得できるものがあります。

増税・負担ラッシュで生き残るには
ムダ使いせずにキャッシュを持つこと

――経済成長の見通しがはっきり立たず、給料が増えない一方で増税・負担ラッシュに晒される個人は、今後どんな指針を持って家庭を守ればいいのでしょうか。

 答えはズバリ、「ムダなものを買うのをやめる」ということです。「そんなことばかり言うから、景気が悪くなるんだ」と怒られそうですが(笑)。

 これまで述べたように、今の日本は給料が上がるどころかまた下がる可能性だってある。だから現状では、「ひたすら節約する」とう選択肢しかありません。投資などをやめて、資産をキャッシュ(現金)でしっかり持つこと。私はいつもそうアドバイスしているので、「キャッシー荻原」と呼ばれているんですよ(笑)。

 繰り返しますが、日本はまだデフレから脱却していない。それを忘れてはいけません。デフレ時代を生き抜く鉄則は、借金を減らして現金を増やすこと。

 企業はこの10年で借金を減らし、キャッシュフロー経営でピカピカになりましたが、家庭は逆に借金を増やしてキャッシュを減らしてしまった。その逆を考えないと、消費税増税をはじめとする増税・負担ラッシュの中で、一般家庭が生き残るのは難しいと思います。


*次回は、荻原博子氏が家計の節約術を具体的に紹介! 「荻原博子直伝!消費増税に負けない生活防衛術(中)」にご期待ください。