ところで、このような市民の意識とは裏腹に、わが国の現状では、病院での死亡が約8割となっている。そうであれば、かかりつけ医や、看取りや緊急往診に積極的な医療機関の報酬を上げることは正しい方向であろう。今回の改定案では、「主治医機能の評価」として、複数の慢性疾患を有する患者に対して、継続的かつ全人的な医療を行うことについて、地域包括診療料として1503点(1万5030円)を月額固定で新設した。具体的には診療報酬は次のように変わることになる。

超高齢社会に医療はどう対応すべきか(出所:朝日新聞2月13日朝刊)

 このケースでは、46%の報酬アップとなるが、中小病院及び診療所の医師を、かかりつけ医として育成していくことは必要不可欠であろう。けだし、個々の患者がかかりつけ医を持つことによって初めて、長く続く(≒一生完全には治らない)慢性病についてきめ細かな生活指導を受けることが可能になるからである。

 次に、急変時の医療体制を強化する観点から、在宅医療を受ける患者があらかじめ指定した病院に緊急入院する場合に、初日に2500点(2万5000円)を新たに加算する、としている(在宅療養後方支援病院)。

 また、24時間対応で看取りや重症者の受け入れに積極的な訪問看護ステーションには、月の初日の訪問時に1万2400円(現行7300円)を支払う。

 この他、入院については、病床の機能分化を促進する施策(在宅復帰の促進・在宅復帰率の導入、大病院の一般外来の縮小、質の高い集中治療の評価、回復期の病床の充実と機能に応じた評価等)が採られており、大病院は専門医の方向に、また急性期の病床を減らして回復期の病床を増やす方向が、かなり明確に打ち出されている。いずれも妥当な施策であると評価していいだろう。