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ゲームを世界展開して成功するためには
徹底的な「ローカライズ」が欠かせない
――Kabam ケビン・チョウCEOに聞く

大西洋平
【第36回】 2014年3月13日
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ヒット作を取りこぼさないための4方位戦略

――Kabamは事業における4つのピラー(事業の柱)を掲げていますが、それは何ですか? また、それぞれはどのような役割を担っているのでしょうか?

 Kabamは持続的な成長を果たしていくために、①独自開発したタイトルの販売、②ハリウッドのスタジオとのパートナーシップに基づくタイトルの開発、③中小ゲーム開発会社に対するM&A、④パブリッシング事業――といった4つの事業に注力しております。

 たとえば、①においてはフェイスブック上で提供してきた「Kingdoms of Camelot」を2012年からiOS向けにも展開したところ、最も急成長を遂げたゲームの頂点に立つヒットを記録しました。

 そして②では、人気映画作品である「ワイルドスピード」(配給:ユニバーサル)や「ホビット」(配給:ワーナー)などのモバイル向けゲームを開発しています。

 ③については、昨年も2社を傘下に収めましたし、3年前に買収した会社からは「Dragons of Atlantis」というヒット作が生まれました。買収前の同社の売り上げは年間100万ドル程度でしたが、今では約1億ドルに達しています。

 残る④は、既存のゲームをまだユーザーがいない国や地域に配信する基盤を提供するプラットフォーム事業で、今後極めて積極的に取り組んでいくつもりです。

 今年は同事業において1億7500万~2億ドルの売り上げ獲得をめざしています。1年程前にはその専門部署を設立しており、様々な国々で成功を収めたゲームを欧米に紹介するビジネスを展開しています。

 特に力を入れている地域は、日本、韓国、中国です。「Kabamワールドワイドデベロッパーズファンド」という基金を設立し、2014年の半ばまでにアジアのゲーム開発会社に対して5000万ドルの投資を行う予定です。すでに23社とパートナーシップを結んでおり、6ジャンル、30タイトルのゲームを90ヵ国で配信しています。

 日本においては、国内で開発されたゲームをローカライズ(現地仕様化)したうえで欧米に紹介するビジネスが中心です。ただし、その一方でKabamは、日本のゲームに詳しい人材を雇って専任チームを結成しています。自社開発のゲームを日本に投入し、積極進出を図っていく方針です。

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大西洋平
[ライター]

出版社勤務などを経て95年に独立し、フリーのジャーナリストとして、「ダイヤモンドZAi」をはじめとするマネー誌や、「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、「週刊朝日」などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。


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