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マケイン完敗!オバマの驚くべきインターネット活用術

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第7回】 2008年7月30日
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 インターネット上の大統領選の展開をフォローするサイト、テックプレジデントでは、各候補者のフェースブックやマイスペースでのお仲間数、ユーチューブでのビュー回数、地元の関連イベントがわかるイベントフルでの「イベント・リクエスト」数などを一目で比較できるようになっている。びっくりするのは、ほとんどすべてがオバマ色で塗りつぶされていることだ。マケインが逆転できる可能性はこの世界ではゼロに等しいだろう。

 現在のSNSには、友人を集め、さらに友人を紹介し合い、写真も共有し、伝言を残しと、仲間意識がどんどん強化されていく仕掛けがある。たとえばオバマは、フェースブックで支持者を仲間にするオープンなサイトを持っているだけでなく、「オバマ'08」アプリケーションなるものまで作り、これをダウンロードすれば、誰のフェースブックページでもオバマの小さなウィンドウができて、彼の動向がわかるようにしてあげている。こうして、「オバマ」を手広く撒いているわけだ。

 オバマは6月だけで1億ドルの寄付金を集めたとされているが、寄付者の半分近くが個人宛寄付金の限度額(2300ドル)をはるかに下回る200ドル以下しか寄付していない「小さな人々」である。派手なファンドレージングのディナーに集まってくるような、これまでの政治献金者とは異なったタイプの人々、それも互いが知り合いでもなかったといった人々、以前なら政治に関心もなかった若者層がオバマを支持しているのは、こうしたインターネット・ツールのおかげなのだ。

 これはまるで、インターネットが民主主義のツールだということを、人々が自ら参加することで証明しようとしているかのようである。実際、大手調査機関ピュー・インターネット&アメリカン・ライフによると、22%のアメリカ人はインターネットがなければ、これほど選挙運動に関わっていないと述べたという。

 オバマも実はそうした意識にも敏感で、フェースブック風のサイト「my.barackobama.com」を別に立ち上げている。これまでは、一点集中的に彼の公式サイトに人々を引き寄せていたが、ここでは個々の支持者が自らアカウントを持って、仲間を募り、自分のグループを運営できるようにした。いわばオバマを話題にしたい人に対してプラットフォームを提供したわけだ。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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